奄美中央RC40周年記念事業

奄美中央RC40周年記念事業

「教育に科学的根拠を」と題し講演する中室さん
評論家から「奄美の空気を伝えるピアノ」と評される腕を披露する松元さん

非認知能力、「長期的力に」
中室さんが講演、松元さんコンサートも

奄美中央ロータリークラブ(重信千代乃会長、57人)の創立40周年記念事業「潜在能力は奄美力」が24日、奄美市名瀬の奄美文化センターで開かれた。慶應義塾大学総合政策学部の准教授・中室牧子さんが講演し、科学的根拠を伴う〝非認知能力〟に焦点を当て、幼児期の教育や保育の重要性などを語った。

同クラブは1979年に設立。講演に先立ち重信会長は「きょうは、地域で教育づくりを考える契機にして」とあいさつした。

記念事業は二部構成で行われ、第一部は、中室さんが「教育に科学的根拠を」で講演。第二部は、大島高校卒で鹿児島大学医学部在籍のピアノ奏者・松元陸さんが「シマの風を感じて」と題し、記念コンサートを行った。

講演で中室さんは、シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授が3~4歳児を対象に調査した教育研究「ペリー幼稚園プログラム」を紹介し解説。数十年に及ぶ追跡調査を踏まえた上で「幼児期は学力よりも別のことを伸ばした方が結果的に学歴や年収は高く、社会的に成功することが明らかになってきた」と報告した。

具体的には、IQや学力とは異なる自制心ややり抜く力を有する〝非認知能力〟を伸ばす教育や保育を行うことで「長期的力になる」と指摘。「非認知能力は成人まで伸びる。しかるべき時期に能力を獲得しておくべき」などアドバイスした。

第二部では、日本の名だたるピアノコンクールで数々の賞を獲得した松元さんがその腕前を披露。非認知能力インタビューで自身の教育観を語りつつも、心地よいクラシックの調べで会場を魅了した。