奄美駐屯地 開設セレモニー

駐屯地正門で関係者による除幕式を行った

原田副大臣(写真左)から平田駐屯地司令に隊旗が手渡された

「奄美を守る隊員として信頼を」
原田副大臣が隊旗授与
拠点施設、本格的に始動

 防衛省陸上自衛隊の奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊地区)、瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子地区)が今月26日開設したことを受け、31日、同駐屯地内で奄美大島島内外から来賓を招いた記念式典が開かれた。南西諸島での防衛体制の一角を担うため、新編された「奄美警備隊」を配備する拠点施設が本格的に始動する。原田憲治防衛副大臣は「困難にひるまず、強い使命感で望むことを期待する」と訓示し、平田浩二・司令兼警備隊長に隊旗を授与した。

 セレモニーは陸自第八師団(熊本県熊本市)の主催。同省陸自幕僚や西部方面隊、同師団の幹部65人が列席し、両駐屯基地の隊員約450人が参列した。

 原田副大臣は周辺国の脅威を指摘し、「我が国が取り巻く安全保障の環境は厳しさを増している」と述べ、防衛計画に基づく島しょ防衛強化の意義を強調。厳しい訓練と緊張感のある任務に就く、奄美の隊員をねぎらった。

 式では、▽儀仗▽編成完結報告・隊旗授与式▽除幕式―を行ったほか、招待者を対象に駐屯地内での施設公開と装備品展示もあった。

 来賓には地元選出の金子万寿夫衆院議員ほか、衆参議員、県議、自治体首長、地元友好団体の関係者など約100人を招待。三反園訓県知事、朝山毅奄美市長が祝辞し、今後の活躍を期待した。

 南西諸島の陸自部隊配備計画で、他の離島に先駆けた地対艦ミサイル部隊配備などから奄美駐屯地への関心は高く、式典には島内外から報道機関22社(支社局含む)39人が来島。

 報道陣を前に平田司令は有事と大規模災害への迅速な対処を掲げ、「地元の一員、奄美を守る隊員として信頼を得られるようつとめたい」と着任の抱負を語った。

 正門前で除幕式があり、代表者10人がテープカット。「奄美駐屯地」の看板が現れ、それに合わせ、上空では航空自衛隊「ブルーインパルス」が開設を祝う展示飛行を披露。招待者から大きな拍手が送られた。

 奄美の駐屯基地は南西島しょ部の防衛力強化として整備。東シナ海で活動を活発化させる中国軍、緊迫化する北朝鮮情勢などを念頭に、有事に対する迅速な対処、展開が目的。

 奄美駐屯地には警備部隊、地対空ミサイル部隊など約350人が常駐。施設面積は50・5㌶。瀬戸内分屯地には警備部隊、地対艦ミサイル部隊など約210人が常駐。施設面積は48㌶。開設で島内に約1千人が居住した。