奄美出身歌手、平田輝さん作詞作曲

開校式で披露された平田輝さんの校歌に喜ぶ下島哲道校長と平田さん=校長室で

開校式で校歌お披露目
都立王子特別支援学校 生徒たちとの合唱感動呼ぶ

 【東京】東京都立王子特別支援学校(下島啓道校長・小学部164人、中学部84人、高等部193人)の開校式が10日、同校で行われた。この式典の中で奄美出身の歌手・平田輝さんが作詞作曲した同校の校歌が紹介され、生徒たちとの初の大合唱に下島校長は「感動した。保護者も感動していた。いい曲で言葉もとても良かった」と喜びを隠さなかった。

 平田さんが校歌制作に関わったのは、以前東京都立公明学園の式歌「僕らは翼を持っている」を作曲した縁から。当時の篠崎友誉校長と下島校長が知り合いだったことがきっかけとなり、下島校長が校歌制作を平田さんに依頼した。

 これまで、式歌や町歌、古仁屋高校の歌など数多く作詞作曲してきた平田さんだが、さすがに初の校歌つくりには「プレッシャーがすごかった。ずっと歌われていくわけですから」と明かした。

 昨年5月から何度も学校に通い続けてイメージを作り、下島校長たちと何度も打ち合わせ、「歌詞を子どもたちのためにと、自分のこだわりを捨てて意見をとにかく聞いた」と語る。そして、子どもたちが手をたたけるような校歌のイメージができあがった。

 歌詞にはシンボルツリーであり校章にも採用されているメタセコイア(あけぼの杉)のように「まっすぐ、高く」成長をとの思いやスクールカラーの「臙脂=えんじ=」「紺碧=こんぺき=」「萌黄=もえぎ=」の3色の持つ行動力や誠実、希望などの言葉が綴られ、地名の入る「王子の友よ」の「友よ」は、下島校長が詩を考えたことも明かされた。

 生徒たちとの大合唱で披露された校歌に平田さんは「楽しみだった。本当に大きな声で歌ってくれていた。これから口ずさめるようになじんで欲しい」と語り、「通いつめて校長先生たちと一つになってできた校歌。来賓にも、校歌ぽくなくて良かったと声をかけられたので、ホッとした」と笑顔を見せた。

東京都立王子特別支援学校校歌
        平田輝 作詞作曲
一空高く 桜舞う日に 希望と期待を 胸に秘めて あけぼの杉を見上げ 誓ったように たくさんの友をつくろう 夢をえがこう
王子 王子 王子の友よ 今日も笑顔でゆこう
二 もえるような太陽の日にも 木枯らしふく風の強い日にも あけぼの杉のように 志高く たくさんのことを学ぼう 情熱もって
王子 王子 王子の友よ 輝く未来のために
三 凍えるような寒い日には 手をつないでぬくもりわけあおうよあけぼの杉のように まっすぐに 生きよう強く優しくなろう ひとつになって
王子 王子 王子の友よ 羽ばたくその日まで