関係団体、自治体から担当者が集まり、管理運営計画案について議論した
第3回奄美群島国立公園奄美大島及び徳之島地域管理運営計画策定検討会(座長・星野一昭鹿児島大特任教授)が26日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。環境省が案を提示し、委員や関係者が意見した。検討会は今回で終了。連休明けに再度計画案に対する意見を聴取し、環境本省との調整などを経て、夏ごろにパブリックコメント(意見公募)を実施する予定としている。
同計画は環境省としての国立公園管理の手法や具体的な取り組み内容を示すもの。同省の国立公園に関する事業や許認可指導は基本的に同計画に沿って実施されることとなる。国立公園に関係する団体や地域住民と管理方針などを共有化することで連携を強める目的も持つ。
第2回同検討会や、関係者への説明の中で出た意見を反映させた計画案について環境省が説明。同案では増加する利用者への懸念事項として、新たに「希少な動植物の盗掘・盗採」なども明記。利用適正化に向けた取り組みについては、「金作原の利用ルール試行」や「林道山クビリ線の通行規制」など具体的な内容にも踏み込んだ。
説明に基づいた意見交換では、各委員と出席した自治体・関係団体が質問や意見を出した。希少種・外来種の分布について、「データの集積をした上で、外来種についてはオープンにしてもらいたい。希少種に関しても事前に訪ねた際に相談に乗ってもらえれば」との意見に対し、環境省は「外来種に関しては地域との情報共有は必要。得られている情報については、積極的に出したい」と回答した。
また、「『環境文化型』の国立公園だが、文化に関する記述が少ない」、「連携体制等に関する記述の中に、文化に関する団体が出てこない。文化財保護関係の団体なども含むべき」などの声には、「文化関係の団体との連携が不足している。アドバイスをいただきながら進めたい」と答えた。
星野座長は「地域のみんなで一緒に国立公園を作り上げるという意図で策定されるべき計画。今後とも国立公園の管理運営に主体的に関わってもらいたい」と出席した関係団体・機関に呼び掛けた。
今年度は同計画を喜界島、沖永良部島、与論島でも同計画を策定するため、関係者への意見聴取等を予定。2020年度以降に検討会が行われる。