「ヤクシマスミレ」終盤

西康範さんが撮影した「ヤクシマスミレ」

 

白い花弁に映える紫条

 

 奄美大島南部の高地で「ヤクシマスミレ」が開花しているのを、奄美市名瀬の西康範さんが撮影した。花弁中央から鮮やかな紫色のラインが入り、清楚な白色の花弁にアクセントとなっている。西さんによると、花期は終盤で周囲には咲き終わった株が見られたという。

 『琉球弧・野山の花』(片野田逸朗さん写真と文)によると、ヤクシマスミレは屋久島、奄美大島、沖縄島に分布。高地の渓流の岩上に生える小型の多年生草本。地下茎はさかんに分枝して伸長し、新株をつくる。花弁は白色で長さ1㌢、倒卵形で先は丸く、基部は急に狭まる。唇弁は他の花弁より短く、紫条がある。奄美大島の山地渓流の岩場にはアマミスミレも特産する。

 西さん撮影の写真のように、白い花弁に紫色の筋が入るのが特徴。開発などで減少したとされている。

 西さんは「撮影地ではこの他に、ナンゴクホウチャクソウも咲き誇っていた。オオシマガマズミは、やや開花期が遅れているようだ」と話した。