奄美群島内での姿の観測は初めてとみられる「オニカッコウ」(藤崎誠之さん提供)
奄美群島内で初の確認
「優しく見守って」
日本国内での確認は珍しい「オニカッコウ」が喜界町に姿を現した。同町教育委員会生涯学習課の藤崎誠之さん(31)が13日、姿を探し出し、木の枝先にとまっている同種の撮影に成功した。鳴き声については奄美群島内でも確認されているものの、奄美野鳥の会・鳥飼久裕会長は「姿の確認は初めてとみられる」と話した。
『鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』(永井真人さん著)などによると、オニカッコウはカッコウ目カッコウ科で、体長は33~35㌢。東南アジアやオーストラリアなどに分布し、国内ではごくまれな迷鳥として本州以南で数例の確認事例がある。英名「Asian Koel」の通り、「コーエル」と鳴く。雄は全身黒く、雌は全身がまだら模様。今回撮影されたものは雄の個体と推定される。
バードウォッチングが趣味という藤崎さんは11日、聞きなれない大きな鳴き声を耳にした。その日のうちに調べ、オニカッコウではないかと推測。鳴き声については、「コーエルという感じではないが、高く大きめの声で、小鳥ではないだろうと思った」と振り返る。
12・13日には休暇を利用し、鳴き声を聞いた付近で探索。姿が確認できずあきらめかけていた13日、町内の高台で再び鳴き声を聞き、木にとまる姿を発見した。「写真を撮る前に逃げられないよう」と慎重に撮影。別件の調査で来島していた鳥類の専門家に画像を見せ、鳴き声を聞かせたところ、オニカッコウと判明したという。
藤崎さんは「姿を見つけたときは興奮した。迷鳥なのであまり長くはいないと思うが、優しく見守ってあげてほしい」と話した。