サンゴ産卵シーズン

サンゴ産卵シーズン

瀬戸内町手安沖合で、「オトメミドリイシ」などサンゴの産卵シーンが確認された(興さん提供写真)

オトメミドリイシの一斉産卵を撮影
瀬戸内町手安沿岸で奄美海洋生物研究会の興さん

自然写真家で、奄美海洋生物研究会会長の興克樹さん(48)=奄美市名瀬=が25日夜、瀬戸内町手安の沖合でサンゴ「オトメミドリイシ」の産卵の撮影に成功した。これから夏にかけて奄美群島内で様々な種類のサンゴが産卵シーズンを迎える。今年の初確認に興さんは貴重なサンゴの保全と回復を願っている。

 

この日は午後9時過ぎから、水深3㍍付近で群落を形成するオトメミドリイシが産卵する様子を確認。周辺海域は、精子と卵が入った直径約0・5㍉のカプセル「バンドル」が大量に浮遊し、あたりは淡いピンク色に染まった。バンドルはその後、着生まで海流に乗り漂う。

撮影された手安沿岸ではミドリイシ属のサンゴ群が広がる。例年、6月前後の満月から半月に移行する時期に一斉産卵が見られることから、興さんは5月下旬から同海域で観察を始め、コエダミドリイシ(23日)、クロマツミドリイシ(24日)なども確認したという。

今年は気温、海水温とも高めで、例年より1、2週間、産卵のスタートが早かったという興さん。「大島海峡には多くの枝サンゴの群落が点在する。貴重な観光資源、サンゴ幼生の供給源として重要」と話し、価値の高さと環境保全の意義を訴えている。