黒岩シェフ(写真右端)からメニューづくりのアドバイスに聞き入る生徒
奄美市名瀬の奄美高校(堀之内尚郎校長、生徒419人)は今年も、生徒がコース料理のメニューづくりや調理、接客を行うインバウンド(外国人観光客)向けレストラン開設の準備を進めている。外国クルーズ船が名瀬港に寄港する8月2日が本番。12日は、校内で奄美の特産品を使ったデザートの試食会を開催し、指導役のフレンチシェフを「予想以上に完成度が高く、100点」とうならせた。
「奄高レストラン」プロジェクトは国の助成事業を活用。今年度3年目を迎える。観光客誘致や奄美のPRを目的に、同校5学科の3年生を中心として毎年異なるメニューに取り組んでいる。
4月からメニューづくりをスタートさせ、試作第1弾として「ヨモギのシフォン」「スモモのムース、コンポート」「ミキのパルフェ」のデザートが完成。例年講師役をつとめる、大阪フレンチレストランのオーナーシェフ・黒岩功さんが味や仕上がり、盛り付けなどをチェックした。
調理した家政学科の生徒を前に、黒岩さんはデザートの完成度を絶賛。その上で、味の組み合わせや配膳まで仕上がりが崩れない流れなどをアドバイス。第一線で活躍するシェフの言葉を生徒は真剣な表情で聞き入った。
学校関係者によると、島の食材を生かした本格的なコース料理を完成させる計画。本番までにコース5品を用意するという。
黒岩さんは「デザートにさまざまなアイデアが盛り込まれ、驚かされた。生徒自身が顧客満足度を高める今後のひと工夫に期待したい」と話した。
同科3年・且汐音さんは「高い評価を受けうれしい。本番までどれだけプラスアルファができるか、みんなで知恵を絞りたい」と気持ちを引き締めていた。