ミカンコミバエ 与路で初動対応実施

誘殺が今年初めて確認された与路島で、誘殺板設置など関係機関による初動対応がとられた(提供写真)

誘殺板設置や寄主植物調査

瀬戸内町の与路島で、奄美群島では今年初となるミカンコミバエの誘殺(雄1匹)が確認されたのを受け、国、県、地元の関係機関は24日、現地入りし誘殺板(テックス板)設置や寄主植物調査など初動対応を行った。当初は確認翌日の21日を予定していたが、大雨など悪天候により延期されていた。

町農林課によると、現地入りしたのは国の機関である門司植物防疫所名瀬支所、県大島支庁、同課の計12人の担当職員。誘殺板に針金を通すなど準備作業後に古仁屋港から町営船に乗り込み、40~50分ほどかけて午前10時半ごろ与路島に到着した。

天候回復を待って行われた初動対応は日帰りで。島内全域を対象にしたが、大雨による土砂崩れの発生で車両では通行できない道路もあり、4班に分かれての作業は歩いての対応も。当初500枚を予定していた誘殺板は200枚設置。ミカンコミバエの寄生を確認する寄主植物調査は、この時期に果実をつけているイヌビワ、オオイタビ、ミニトマト、ナスなどを採取。それぞれ5日間保管後に切開して幼虫の有無を確認する。

また、3基あったトラップは5基増設した。トラップの調査間隔は、調査開始後2週間は週2回、3週目から8週目までは週1回となり、その後は3世代相当期間終了まで2週間に1回となる。

現在、同町では栽培が盛んなパッションフルーツの収穫・出荷期。ミカンコミバエ確認に対する生産者からの問い合わせなどは寄せられておらず、冷静な対応がとられている。