インターネットビデオ電話を介して交流授業を実施。モニターに映る泰明小の児童ら
ハンカチの泥染めを体験する大勝小の児童
卒業生や染め物を縁に交流が始まり、交流を続けている龍郷町立大勝小学校と、東京都中央区立泰明小学校(銀座)は10日、両校の5年生を対象にインターネットビデオ電話を介して交流授業を実施した。大勝小児童はハンカチの泥染め実習、泰明小児童はハンカチ等の柳染め実習をした後、両校代表がビデオ電話で相手校の行事内容などについて質問し、それぞれ回答した。
龍郷町中勝出身で、大勝小学校の卒業生である泉二弘明さんが縁となった両校の交流。泉二さんは、銀座で呉服店「㈱銀座もとじ」を経営。同社ホームページ(HP)によると、1998(平成10)年から地域貢献活動の一環として泰明小学校での「柳染め課外授業」が始まり、今年で22回を数える。染め物に使う泥は、奄美大島から大島紬用の泥染めの泥を取り寄せた。2017(平成29)年からは、母校の大勝小5年生と泰明小5年生がインターネットビデオ電話による交流授業を開催し、今年で3回目となる。
この日のビデオ電話交流事業には、大勝小学校(佐東忠仁校長、児童123人)の5年生22人のうち、19人が参加。㈲前田紬工芸の前田圭祐専務取締役(32)=伝統工芸士=がハンカチの泥染め指導した。児童は、白いハンカチ(絹布)をタライに入ったシャリンバイ液、石灰水、泥に浸ける染め作業を繰り返した。ハンカチ1枚は自分用、1枚は自分の大切な人用、3枚は泰明小児童用とするため、児童1人当たり5枚泥染めした。泥などは㈲金井工芸(戸口)が提供協力した。
一方、泰明小では泉二弘明さんの長男・啓太さんが柳染めの指導役を務めた。
ネットビデオ電話では、「全校児童、5年生は何人いるのですか」「修学旅行はどこへ行くのですか」など質問していた。
大勝小の渡裕愛さんは「泥染めは2回目。ちょっと疲れたけど楽しかった」、吉田夢空くんは「初めての体験。ちょっとペースが早過ぎたが、きれいにできたから良かった」、大濱結大くんは「何回も染めるのが難しく、手が疲れた。(仕事で)やっている人はすごいと思った」と感想を話した。