奄美空港・消火救難訓練

負傷者役の参加者を、機外へ迅速に移送した(写真は奄美空港エプロン)

初動対応や連携確認
旅客機事故を想定

 奄美空港管理事務所(長井和揮所長)は26日夕、奄美市笠利町の同空港内で消火救難訓練を行った。参加した関係機関が緊急時の初動対応と迅速な救助活動の連携を確認した。

 航空会社や空港関係事業所のほか行政、警察、消防、大島郡医師会など24機関・団体約130人。車両は消防車両や救急車など24台が参加した。

 訓練は着陸した航空旅客機が誘導路を走行中、エンジンが炎上し乗客に多数の負傷者が出たとの想定。空港内エプロンと誘導路、JAC格納庫で行われた。

 訓練開始の合図で、消防ポンプ車が滑走路そばの指定位置に到着して放水。滑走路上では負傷者役の参加者が担架で次々に運ばれ、トリアージ地区の格納庫では医療担当が優先負傷者を指定し、搬送を指示した。

 終了後、元見糸和・大島地区消防組合笠利分署長は「役割分担が的確で、一連の流れがスムーズに出来ていた」と総括。その上で事故発生時は消防機関の到着まで約15分掛かることから、「避難誘導や初期消火などの初動対応を現場レベルで行うことが重要」と述べた。

 同事務所によると、空港の年間利用客数は約88・7万人で、1日当りの定期便は約40便。保安規定に従い、対処訓練を繁忙期(夏季、年末)に実施している。1988年の開港以来、同空港で事故の発生はないが長井所長は「有事の際の対処を迅速に行えるよう、職員全員の危機意識を高めたい」と語った。

 訓練初参加のスカイマークに勤務する女性(28)は「お客さまの安全を優先した対応に取り組めるよう、日頃の意識と訓練は大切だと感じた」と話した。