「勝海舟の子孫が見た現在の政治」講演会

勝海舟の子孫から見た今の政治について熱く語る、髙山みな子さん。『勝海舟関係写真集』が、この夏に出版舎・風狂童子から出版予定だという

祖先の生涯や功績など熱弁
「自分のことばかり考えている役人たちが、国家倒してしまう」

 【東京】「民意が反映される国造りが必要なのは、今も勝海舟の時代も同じだ」――。このほど、神田の西郷隆盛会館で髙山(こうやま)みな子さんを講師に「勝海舟の子孫が見た現在の政治」と題した講演会が開催された。会場には、西郷隆盛を敬愛する人たちを中心に約40人が参加し、熱心に聞き入っていた。

 同講演会は、西郷隆盛21世紀フォーラム(内弘志代表世話役)の令和初の勉強会として催されたもの。出席者全員で、「敬天愛人の教えの歌」の斉唱に続いて、勝海舟の5代目に当たるフリーランスライター・髙山さんが拍手に迎えられ登場した。

 髙山さんは、海舟の系図を白板に表し、玄孫に当たることを説明した後、講演を開始。今の年収にして240~250万円だったこと、出自が低いことで身分社会に苦しんだことなど海舟の生活環境を解説した。

 「海舟日記」などの史料を基に、「自分のことばかりを考えている役人たちが、国家を倒してしまう」「災害が起きた時に、どう対処して人を救うか。情報をすり合わせて何が真実かを勉強することが大切だ。150年前も今も同じ考えなのです」。西郷と会見し、江戸城を無血開城に導いた先祖の偉業に照らし合わせて、子孫としての考えを熱く語った。

 また、海舟は「公のためにいかに仕事をするか。世界に通用する人材育成」を常に考えていたことも述べた。出席者からは、最近の政治家による不用意な発言についての質問もあり、「言葉に責任を持った教育を受けていない」と政治家以前の問題だと言わんばかりに一刀両断。「海舟なら北方領土は、(共同統治はせず)慎重に処理しないといけないだろう、と思ったはず」と、ていねいに応じていた。

 講演後は、髙山さんを囲んでにぎやかな交歓会が行われた。