大熊町内会・戦没者慰霊祭

参列者が献花した戦没者合同慰霊祭(写真は大熊公民館内)

不戦平和の誓い、新た
初の屋内開催 参列者、61柱を悼む

 奄美市名瀬大熊町の大熊公民館で4日、地域の戦没者合同慰霊祭が行われた。初の屋内開催に、過去の戦争で戦死した同町出身者の遺族や住民代表、関係機関など約80人が列席。第二次世界大戦の終戦から74年が経ち、あらためて不戦平和の誓いを新たにした。

 同町内会(重田茂之会長、500世帯約1100人)の主催。 戦没者は日露戦争から同大戦まで犠牲となった61柱。今回46回目を数える。

 会場に設けられた祭壇にはリュウキュウマツでつくられた標柱(縦165㌢、横45㌢)を置き、列席者は手を合わせ、献花。また陸上自衛隊奄美駐屯地隊員のラッパ手による追悼吹奏があり、参列者全員で黙とうを捧げ、故人の冥福を祈った。

 同町関係者によると、公民館に隣接する公園内に忠魂碑が建立されているが、参列者の高齢化や天候に左右されないなどを考慮し、屋内開催を決めた。祭主を務めた重田会長は「恒久平和は人類共通の願い。戦争の記憶を次世代に引き継がなければならない」とあいさつした。

 義父が戦死した山田ミツ子さん(82)は「夫の父が戦地で亡くなり、残された家族は苦労したと聞いている。戦争の悲惨さを忘れないことが大事」と声を落とした。

 またこの日は同駐屯地から幹部隊員も参列。平田浩二司令は「尊い犠牲があって、今日までの平和が続いていることを実感。地域のため職務を全うしていきたい」と述べた。