海の便 上り臨時便運航

上りの臨時便が入港した和泊港(15日午後2時40分ごろ)

与論島小売店「ほとんど商品ない」
下り便は16日から運航予定

 台風9・10号により、県本土と奄美群島を結ぶ定期船の欠航が続いている。群島内の小売店での品不足、農作物を出荷できないなどの影響が発生。15日には那覇発上りの臨時便が群島内全島を条件付きとしたものの運航。下り便は16日から臨時便の運航予定が決まっており、徐々に回復していく見込みとなっている。空の便では15日も引き続き欠航が相次いだ。

 台風9号による船便の欠航は7日発上り便から始まった。台風10号の影響が出始める前の11日夜から12日朝には、奄美市の名瀬新港に下り5便が入港。南3島(徳之島、沖永良部島、与論島)にも1便が向かった。一方、上り便は同日、名瀬―鹿児島が運航したのみ。南3島では、15日の臨時便が実に9日ぶりの上り便の入港だった。

 フェリー各社が15日までに発表している今後の運航予定では、16日には下り臨時2便が鹿児島新港を出港。上りは17日に臨時1便(与論発)、18日に臨時2便が出港するとされている。

 相次ぐ欠航により特に南3島では、日用品などの品不足が目立つ。与論町の小売店・Aコープ与論店では、今月4日の入荷以降に商品の仕入れがストップ。12日入港便で普段より入荷量を増やし商品を仕入れたが、その日のうちに売り切れが続出した。再び仕入れが途絶え、同店の吉田三智也店長は15日、「店にほとんど商品がない状態が続いている」と話した。

 12日に商品が到着した直後は買い物客が殺到。駐車場は満車となり、農協職員の手を借りて品出しやレジ対応をしたという。また盆に備え、多めに注文していた商品も届かなかったといい、吉田店長は「盆用に島民が必要としている品物がない状態が続き、困っている」とこぼした。

 15日は空の便でも欠航などの影響が継続。航空各社の発表によると、午前中に鹿児島発奄美大島行きの3便が欠航したほか、奄美群島各島を結ぶ便でも欠航が相次いだ。日本航空によると、16日は中国地方北部、北陸など日本海側の空港を離発着する便に影響があるとしている。影響が見込まれる空港に奄美群島内の空港や、鹿児島空港は含まれていない。