コンパクトなまちづくり推進を目指し協議を始めた立地適正化計画策定委員会
奄美市は22日、人口減少時代に対応した持続可能な都市経営を可能とするコンパクトなまちづくりを目指し、20年後の将来像を示すことなどを目的とした「立地適正化計画」を策定する委員会を発足させた。来年3月末まで計画を策定、中長期的なまちづくりの指針とする考えだ。
同日、市役所で初会合を開き、有識者や住民代表ら17人の委員を選任、委員長に琉球大学工学部の小野尋子准教授、副委員長に鹿児島大工学部の小山雄資准教授を選出した。
立地適正化計画は2014年8月に行われた都市再生特別措置法の改正によって、将来の人口減少に対応するコンパクトなまちづくりを促進するため制度化。奄美市は18年3月に策定した「市都市計画マスタープラン」の高度化版と位置づけている。
同市では、今後も人口減少が続くと見込まれることから、用途地域に指定されている名瀬地区を中心とする市街地エリアや上方、下方地区を立地適正化計画の対象区域とし、住宅などの居住機能を誘導する居住誘導区域と、商業施設などの都市機能を誘導する都市機能誘導区域をそれぞれ設定、コンパクトなまちづくりを図る。
この日、示されたまちづくりの方針では、都市機能、居住環境、ネットワークの3テーマについて、将来像などを検討する考えが示された。
都市機能を市街地に商業、観光、行政、医療などに集積することで中心市街地の活性化や観光振興を図る。居住環境については、老朽化した住宅が立ち並ぶ地区や急傾斜地など安全性が低い地区などから、居住誘導区域に指定した地域への住み替えなどを誘導、都市の再構築を進める。また、コミュニティバスなどにより、都市部と周辺地域を結び市全体の一体性を高めることなどを目指し、計画を策定する方針だ。
会合では、「観光客の増加など交流人口も加味したまちづくりを計画する必要がある」、「居住誘導区域外の住民をどのように居住区域に誘導するのか」といった意見などがあり、市は「次回の委員会で具体的な計画案などを示していきたい」などとした。
11月に2回目の委員会を開き、都市機能や居住環境について、具体的な誘導施策などの検討を行い、来年2月に計画案を報告する予定で、その後、計画案に対するパブリックコメントを実施、都市計画審議会での審議を経て、今年度末には立地適正化計画を策定したい考えだ。