故小出義雄監督を偲ぶ会

故小出義雄監督を偲ぶ会

スポーツ合宿振興への貢献にも感謝。天城町であった「故小出監督を偲ぶ会」=9日、同町防災センター

「スポーツ合宿日本一の島」貢献
思い出や功績触れお別れの言葉
天城町が主催、感謝し冥福祈る

 【徳之島】シドニー五輪女子マラソン金メダリスト高橋尚子らを育てた中長距離選手の名指導者で、4月24日に死去した「故小出義雄監督(享年80)を偲ぶ会」(天城町主催)が9日夕、遺族や全日本実業団陸上部関係者らを迎え、天城町防災センターであった。合宿を通じた約20年間の交流の思い出や気さくな人柄を偲びつつ、「スポーツ合宿日本一の島」構築への貢献にも感謝し冥福を祈った。

 小出氏は2000年シドニー五輪金の高橋選手をはじめ、92年バルセロナ五輪銀・96年アトランタ五輪銅の有森裕子選手、97年世界選手権金の鈴木博美選手らを育てた名将。徳之島での合宿は天城町与名間、宮田益明さん(ホテルサンセットリゾート)による熱烈な誘致もあり、98年2月(当時積水化学監督)に始まった。

 直前合宿で臨んだ同年3月名古屋国際女子での高橋選手の初優勝、そしてシドニー五輪での金メダル。小出監督は「縁起のいい島」とアピール。佐倉アスリート倶楽部設立後も所属選手を引率しての同島通いを続けた。天城クロスカントリーコースの監修やスピード強化に欠かせない全天候型トラック整備もの必要性も提言。実業団陸上部を中心に現在、年間約45団体・延べ約6千人が訪れる合宿のメッカに定着させた。

 同最大の功労者でもある小出氏を偲ぶ会には、小出啓子夫人(68)や二女高橋正子さん(45)・健一さん(46)=富士通陸上競技部駅伝監督=夫妻ら遺族も来島。町内外の来賓や合宿中の実業団関係者など合わせ約280人が参列。

 実行委員長の森田弘光町長は哀悼の意とともに「小出監督は約20年間、天城町のスポーツと観光振興に貢献され『スポーツ愛ランドあまぎ』と『スポーツ合宿日本一の島』の名を全国に広めていただいた」と称賛。小出氏と関わった歴代の天城町長3人(寿洋一郎さん・吉岡光一さん・大久幸助さん)が、思い出や功績に触れながらお別れの言葉を送った。

 高橋さんと共に徳之島・天城町と関わり続けた小出氏のVTR映像(同町ユイの里テレビ)や、告別式での高橋さんの弔辞も紹介。同島合宿も通じて深い親交のあった元北國銀行陸上部監督の徳田邦彦氏と元ニコニコドー陸上部監督の岡田正裕氏もお別れの言葉を述べ、小出氏とのエピソードも交え功績を称えた。

 このあと遺影の前に参列者全員で献花。啓子夫人はあいさつで「映像も見させていただき、約20年間小出が徳之島の皆さまに支えていただき、高橋さんが金メダルを取れたと感じ取ることができた」とお礼を述べた。