屋久島寄港乗船1000人達成

記念セレモニーで祝福された山形県米沢市の伊藤さん(前列左から2人目)

マルエーフェリー 名瀬港で記念セレモニー
奄美の世界自然遺産登録期待

 鹿児島航路(鹿児島~奄美群島~沖縄)の「フェリー波之上」(8072㌧、旅客数707人)上り便で、試験的に屋久島寄港を行っているマルエーフェリー㈱(有村和晃社長)は9日夜、奄美市名瀬の名瀬港ターミナルで「屋久島寄港乗船1000人達成の記念セレモニー」を行った。山形県米沢市から団体旅行に参加し奄美大島に来た伊藤典子さん(65)が1000人目となり、セレモニーで同船の鮫島裕二船長(47)が記念品を贈呈。同乗して一緒に屋久島へ旅行するツアー客らも参列し伊藤さんを祝福した。

 同社は2017年12月に周遊性や利便性の向上を目的に、同船が世界自然遺産登録を目指している「奄美・沖縄」と既に世界自然遺産に登録されている屋久島の3カ所を巡る航路(上り便限定)を計画。国土交通省の旅客船事業にかかわる特例措置(船旅活性化モデル地区における旅客船事業の運用弾力化)を活用して、18年3月から試験運航を開始していた。

 試験運航開始後の屋久島寄港の実績は今年3月末までで、58回706人で1回あたりの利用者数は12・2人。先月末に89回969人となり、今月3回目の寄港で、1000人を達成した。

 記念セレモニーに同社関係者と、屋久島寄港乗船の団体客など約30人が参加。鮫島船長が記念品目録を読み上げて、伊藤さんに記念品の贈呈が行われた。

 同社から、▽フェリーペア招待券(鹿児島~那覇往復、一等)▽黒糖焼酎1本▽芋焼酎1本▽鶏飯2セット▽お菓子詰め合わせ―を記念品として提供。セレモニーの最後に、伊藤さんを囲んで関係者や屋久島への同乗者たちと記念撮影が行われた。

 伊藤さんは鹿児島県に来るのは、初めてで家族を米沢に残して単身で旅行会社のツアーに参加。8日に奄美大島に来て、マングローブカヌーなどを楽しんだという。「奄美大島は快適な気候。1000人目になり驚いているが、祝ってもらいうれしかった。屋久島では登山を楽しみたい」と話した。

 同社営業部の田中羊一郎課長代理は、1000人達成を想定より遅いペースと分析。「屋久島に比べ、奄美の関東や関西方面での認知度が低いかもしれない。来年に奄美の世界自然遺産登録が実現すると、県内で二つの世界遺産結ぶ航路になるので期待したい」と語った。