ガイドの案内で生きもの観察を行う親子など(環境省奄美野生生物保護センター提供)
環境省奄美野生生物保護センターは1日、奄美市などで親子夜間観察会を開いた。応募した親子などが参加し、エコツアーガイドの案内で夜行性の生きものを観察した。参加者はアマミノクロウサギなどの希少種を実際に見て、観察時の正しいルールや保護の大切さなどを学んだ。
観察会は、この日昼に実施された「奄美大島の夜の自然と観光」をテーマとした公開シンポジウムの関連行事。先着30人の定員で受け付けたが募集枠が埋まり、申し込み締め切り後にも問い合わせが来るほど盛況だったという。
応募した約40人の親子と案内役の認定ガイド6人は、この日夕方にシンポジウム終了後の会場に集合。奄美博物館の平城達哉さんが、夜の森で見られる生きものをスライドで紹介した。
平城さんは、「奄美大島の森は、希少で固有な生きものが多く見られるのがすごい所。どんな動物が見られるか観察会を楽しんできて」と話した。
続いて同センターの希少種保護増殖等専門員の鈴木真理子さんが、夜の生きものを観察する時の正しいルールを説明。説明後に参加者は6班に分かれて、各班の案内役のガイドと夜間観察を打ち合わせして班ごとの集合場所に移動した。
観察地は奄美市、龍郷町、大和村、宇検村の4市町村の森林部。観察会で実際に見ることができたのは、アマミノクロウサギ、アマミトゲネズミ、ケナガネズミ、アマミヤマシギ、リュウキュウコノハズク、シリケンイモリ、アカマタなど。
参加者のアンケートには、「実際にアマミノクロウサギが、山にいることが分かった」「森の中をガイド車両が案内する速度と、一般道を走る速度が違いすぎて、生きものが出る場所では注意するべきだと分かった」などの意見があったという。
同センターの千葉康人国立公園専門官は、「たくさんの応募があり、夜の生きもの観察はニーズが高いと判明。希少種などの大切さは聞くだけでは分からないが、実際に見てもらい保護意識を持ってもらうことが重要だ。今後も機会があれば、夜の生きもの観察会を続けていきたい」と話した。