「あまみのねこひっこし応援団」

奄美空港からノネコを移送する「あまみのねこひっこし応援団」のメンバー(提供写真)

島内譲渡の増加を期待
4匹を引き取り東京へ移送

 ノネコ管理計画で捕獲された奄美大島のノネコの安易な殺処分を避けるため活動する「あまみのねこひっこし応援団」のメンバー4人が21日、奄美市名瀬の奄美ノネコセンターで引き取るノネコとのマッチングを行った。今回の来島で4匹を引き取り、直行便で東京都に運んで譲渡認定者の施設で一時預かりしてノネコの里親希望者を待つ予定。メンバーは奄美大島でのノネコの譲渡希望者の増加を望んでいる。

 奄美大島では山中でノネコがアマミノクロウサギなど希少種を捕食する問題が起きており、2018年7月から「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づいて環境省が捕獲を開始している。

 捕獲されたノネコは奄美ノネコセンターに収容され、譲渡希望認定者とのマッチングを経て引き渡される。捕獲したノネコは現在まで譲渡認定者に引き取られており、安楽死処分された件数はゼロが維持されている。

 同応援団の齋藤朋子さん(NPO法人ゴールゼロ代表)によると、島内の譲渡認定者に比べノネコの引き取りには高いハードルがあるという。齋藤さんは「19年10月に捕獲ネコ譲渡実施要領が改定され一部条件が緩和されたが、預かり期間が7日を超えた場合が有料化になり、島外からは直接引き取りに行くか代理人に委任するしかないのが現状だ」と話した。

 斎藤さんたちは島内でのノネコ譲渡が進まないことに、普及啓発の重要性を指摘。「ノネコとされたものの中に、人になれた個体もいる。奄美大島でもノネコをできるだけ助けるという意識になってもらえれば」と訴えた。