奄美市総合戦略会議

次期総合戦略について意見交換した市の戦略会議

 

40年後の目標人口5万2600人
観光や少子化対策など重点施策に

 

 2020年度~24年度の5年間の奄美市の新たな総合戦略案について協議する奄美市総合戦略会議(座長・本田勝規奄美群島振興開発基金理事長、委員16人)が28日、市役所であり、これまでに同会議で議論された内容などを踏まえた総合戦略案が示された。2060年の奄美大島の将来目標人口を5万2600人とし、「観光」「仕事づくり」「少子化対策」の3項目を取り組むべき重点項目に掲げた。今後、同会議や市民の意見を集約し、開会中の市議会3月定例会に提案する。

 現在の総合戦略(15年~19年度)が今年度末で期限切れを迎えることから、産官学などの有識者らで構成する同会議で協議してきた。

 今回示された戦略案は、「~しあわせの島~奄美市『攻め』の総合戦略2020」(まち・ひと・しごと創生総合戦略)と題し、政府が昨年12月に閣議決定した「第2期総合戦略」を踏まえたものとなっている。

 人口を維持できる島を目指すことなどを基本目標とし、2010年度国勢調査時の奄美大島の人口6万5762人の8割相当の人口維持を目指す。世界自然遺産登録による観光振興や情報通信技術などを活用した労働生産性の向上、子どもを産み育てやすい環境を整えることなどを攻めのポイントとしている。

 島の目指すべき姿としては、▽経済的に自立した島▽子育てに適した島▽皆が知恵を出して実行する島▽豊かな自然と伝統を守る島―の4項目を掲げ、項目ごとに市民所得や出生率、青年団員数など具体的な数値目標を設定する。

 会議では、委員から農業を中心とした産業振興、世界自然遺産登録や環境文化の観点を生かした観光振興などを求める意見が相次いだ。

 奄美市は現在、総合戦略に対する市民の意見集約のための「パブリックコメント」を実施しており、3月4日まで同市のホームページなどで意見を募集している。