今回事業を利用した奄美市笠利町のbluelightamami(ブルーライトアマミ)のばしゃ山リゾートでの研修風景(左、前田ひかるさん)=提供写真
新型コロナウイルス感染症の拡大により観光客の激減で、大きな打撃を受けている観光業界に向けて、奄美市は今月1日から助成事業を行っている。市内の宿泊施設や体験型観光プログラムを提供している事業者のサービス向上や相互のレベルアップのため、市が宿泊や体験プログラムにかかる費用を全額負担するというもの(1日から18日まで宿泊可能)。実際に事業を利用した宿泊施設の関係者からは、普段できない形の研修ができる感謝とともに、感染症対策強化への意気込みの声が挙がった。
市ホームページによると、先月26日から受付が始まり、3日の時点で15の宿泊事業者(29の宿泊メニュー)、4日で12の体験プログラム事業者(47の体験プログラムメニュー)の登録がなされたという。
同市笠利町の宿泊施設・奄美リゾートばしゃ山村(奥篤次代表取締役社長)を利用した同町の宿泊施設・bluelightamami(ブルーライトアマミ)の管理責任者・前田ひかるさんは、「自分のところにないものを発見することができた。今月半ばにはダイビングなどのプログラムも予約している。奄美の魅力やアピール方法を多面的に学び、お客さまに伝えることができる貴重な体験となりありがたい」と述べた。
5日の時点で約10人の同業者を受け入れたというばしゃ山村リゾート。奥圭太取締役は、「(同業者を受け入れることは)緊張もするが、普段は堂々と行えないこと。宿泊後のアンケートの意見が参考になる。社員のスキルアップや、新型コロナ感染症対策の情報共有を深め、お客さまを迎えるため、万全の態勢を整えていきたい」と表情を引き締めた。
また、同市は市民に向けの助成事業(市民が市内の宿泊施設を利用した際、利用料の8割、上限2万円を助成)も企画している。市から委託を受けたあまみ大島観光物産連盟(有村修一会長)によると、「市民向けの助成制度の開始日は未定」という。
助成事業に登録している事業者の一覧は、同観光物産連盟ホームページから確認可能。問い合わせは同観光連盟 電話0997・53・3240まで。