鹿児島市のクラスターを受けた休業要請に揺れる、奄美大島最大の歓楽街「屋仁川通り」
鹿児島市のショーパブで新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が発生したことを受け、三反園訓県知事は6日、スナックなど接待を伴う飲食店に対し、8日から21日までの2週間、県全域で休業要請を実施する方針を明らかにした。知事の方針を受け、奄美市の飲食店約90店舗が加盟する奄美市社交業飲食業組合は同日夕、臨時の理事会を開き、今後の対応などを協議。加盟するスナックなどに対し、県の休業要請への協力を求めていくことを確認した。
休業要請の対象はナイトクラブやスナック、パブなど接待を伴う飲食店。休業する店舗には、協力金として中小企業20万円、個人事業主10万円、複数店舗を持つ場合には10万円を上乗せして協力金を支払う。三反園知事は「同様の事態が発生すれば、医療体制がひっ迫することが考えられる。クラスターの連鎖を防ぐための措置」と説明した。
県は4月、国の緊急事態宣言を受け、県内の飲食店などに休業要請したが、宣言の対象から外れたことから5月15日に解除していた。
同組合の伊東隆吉理事長は「7月に入り、これから客足も増えることを期待していた矢先のことだけに残念。クラスターの奄美への影響が明らかでない状況での休業要請で、店舗には難しい判断を強いることになる。ただ、島内から感染者を出さないために何ができるのかを最優先に対応するしかない」などと、苦しい胸の内を明かした。
奄美市の屋仁川通りでスナックを経営する女性(40歳代)は「島外からの観光客なども増えていただけに、休業となると経営的にはかなり厳しい。ただ、感染のリスクを考えると休業もやむを得ない。従業員を含め店から感染者を出さないことが一番大切」と話した。
鹿児島市では繁華街天文館にあるショーパブ「NEWおだまLee男爵」でクラスターが発生。従業員のほか利用客とその職場の同僚などに感染が拡大、同店に関わる感染者は6日時点で86人に上り、県内各地に広がっている。奄美群島での同店関連の感染者は出ていない。