新たに11人感染者計23人

与論へ来島自粛要請 奄美大島へ10人搬送
新型コロナ

 【鹿児島】新型コロナウイルスの集団感染が与論島で発生した件に関して県は24日、新たに11人の感染者が発生したと発表した。三反園訓知事は与論町の山元宗町長と電話会談し、県内外からの来島自粛の協力要請した。

 新たに判明したのはいずれも与論町在住の10歳未満男児2人、40代男性1人、50代男性1人、70代男性1人、80代男性2人、30代女性2人、40代女性1人、50代女性1人。無症状から咳、頭痛などの症状がみられるなど様々だが、重症者は出ていないという。11人はいずれも23日に感染者が判明した病院の入院患者やその親族、濃厚接触者にあたる。県は院内でクラスターが発生した可能性が高いとして、厚生労働省にクラスター専門班の派遣を要請した。更なる感染拡大防止のために、濃厚接触者のPCR検査の迅速な実施を呼びかけている。

 22日からの3日間、島内で判明した感染者数は計23人となった。三反園知事は沖縄の陸上自衛隊第15旅団に災害派遣要請。この日判明した11人のうち6人と23日に判明した4人の計10人をヘリで奄美市に搬送した。

 県内で鹿児島市をはじめ集団感染が発生するなど感染拡大が続いており、三反園知事は「第3波が来ている」と警戒する。与論島以外の離島に関して、奄美市の朝山毅市長と電話会談し、来島自粛要請はしないが空港、港湾での水際対策を徹底することを確認した。「県民の皆さんには、引き続き3密を避け、マスク着用、手洗いの徹底をお願いし、更なる感染拡大を食い止めたい」と訴えていた。

県くらし保健福祉部長一問一答
「厚労省クラスター対策班に派遣依頼」 「医療スタッフの感染しない徹底大事」

 与論島での新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、県くらし保健福祉部長の地頭所恵氏は24日、記者会見を開いた。

―看護師女性は島外から来た5人と会食したという話だが、この5人の検査結果は。
「結果はまだ届いていない」

―感染が広がっている。拡大を止めるためには。
「早く濃厚接触者を把握して検査を受けてもらう。感染者がそれと知らずに感染を広げることを防ぐ」

―重症者は。
「重症者はいない」

―再陽性者は。
「いない」

―本日島外に搬送された10人は、いずれも奄美大島に搬送されたのか。
「そうだ」

―院内感染・クラスター発生ともにまだ可能性の段階か。
「まだ可能性という段階。厚労省クラスター対策班に本日派遣を依頼し、日程調整中。その結果を踏まえて判断する」

―自衛隊への災害派遣要請も本日か。
「沖縄の陸上自衛隊第15旅団に要請した。救急搬送については、奄美群島南部3島は第15旅団の管轄」

―10歳未満の2人の年齢は。
「具体的な年齢は申し上げられない」

―院内感染対策がどうだったかは把握しているか。何らかの指導が必要ではないか。
「感染症の専門家と県の職員が与論島に行って感染状況の確認、指導を行っている。クラスター対策班の意見も踏まえて問題点を精査したい」

―今後、当該医療機関から感染者が広がっていく可能性はあるか
「今陰性の人も今後陽性になる可能性があり、気は抜けない」

―医療福祉関係の感染が広がっている。要因と対策は。
「医療スタッフが感染しないことの徹底が大事。入院患者は外に出ず、面会も制限しているため、スタッフが持ち込まないことが基本」

―島内入院・島外搬送・自宅待機の基準は。
「重症化した時に島内で対応できなくなる可能性がある人に関しては、島外に搬送している」

―医療物資は足りているか。
「不足はない」

―病床は足りているか。
「県全体では約230床あるので対応できている」