来島自粛を呼び掛ける箱山さんの投稿
与論町で新型コロナウイルスの感染が広がる中、「島の現状を正しく知って来島自粛を」と呼び掛けるSNSの投稿が反響を呼んでいる。同町で焼き肉店を営む箱山貴洋さん(42)は与論島旅行を計画していた観光客らに対し「今、与論島に来ようとしているあなたを危険にさらすわけにはいかない」とつづっている。
箱山さんによると、現在同町の宿泊施設は、予約していた観光客に対し、予約をキャンセルして来島を控えるよう連絡をしているという。しかし、島の現状を知らないまま来島してしまう人もいたことから「与論島の情報が全国に正しく伝わっていない」と感じ、27日に投稿をした。
投稿では「22日に、与論島内第1号の新型コロナウイルス感染者が発覚してから、26日までに合計34人の感染者が発覚。これは東京都に換算すると7~8万人の感染者がたった5日で発覚したことになります」と説明。
「ホテル関係者は、島外からこれ以上コロナウイルスを持ち込んでほしくないから来島自粛をお願いしているわけではありません」「今の与論島が、いかに危険な状況にあるか分かってほしいのです」とつづり、ニュースやインターネットで同町の状況を調べてほしいと訴えている。
一方で「知らずに来島してしまった人を責める風潮にはなってほしくない」と考え、「怒りではなくエールとともに拡散お願いします」と呼び掛け。これに応えて「頑張って」「平穏な日常が戻りますように」などのコメントとともに1万件以上のリツイートがされた。
「(投稿の内容は)与論島だけではなく全国の離島や観光地にも言えること」と箱山さん。「このような地域を新たに増やさないためにも、正しい情報を皆さんに知ってもらえれば」と話す。
箱山さんの営む焼き肉店では、外出できない子育て世代や、島内で自宅療養をする陽性者のために、接触を伴わない「置き配」で弁当の配達を行っている。
「与論島に来てくれる人、『与論島が好き』と言ってくれる人のことを本当にありがたいと思っている。コロナが終息したらまた遊びに来てほしい」と箱山さんは話した。