コロナ感染予防の基本学ぶ

防護具の着脱訓練を行う参加者ら。4日午前の研修会

「清潔、不潔区域の意識を」
福祉施設や医療機関対象 防護具の着脱訓練も
瀬戸内町研修会

 瀬戸内町地域包括支援センター主催の「2020年度新型コロナウイルス感染症対策・訪問時におけるゾーニング及び防護具着脱訓練研修会」が4日、古仁屋のきゅら島交流館ホールで開かれた。福祉施設や医療機関の関係者を対象に4~5日の2日間で計3回研修会を開く。町へき地診療所の松田耕輔医師が「感染予防の基本的なところ」をテーマに講話し、「患者さんの自宅訪問の際には、きれいな所(清潔区域)、汚い所(不潔区域)を区別するゾーニングの意識を持って対応してほしい。個人防護具で感染経路を断つことができれば感染は成立しない」などと助言した。コロナ感染予防対策の基本を学んだ。

 町では毎月、「在宅医療・介護連絡推進協議会」を開き、コロナ対策に関して協議してきた。通所サービスがストップし、代替サービスとして「訪問・見守りサービス」が中心になることを見据え研修会を企画。防護具着脱訓練は初の取り組み。

 4日午前の研修会には32人、午後は17人の計49人が参加した。

 松田医師は、手指衛生について①手洗いに勝るものなし。アルコール消毒も手が汚れていたら効果減弱②アルコール消毒が無効な菌でも流水には勝てない③手洗いが終わったらしっかり拭き取る④アルコールは、ワンプッシュしっかり押し切る⑤アルコールは、乾く時に消毒効果がある―と指摘した。

 ゾーニングに関して「きれいな所は、消毒が行われており、汚いものが触れていない状態」「汚い所は、それ以外全部と考えてほしい」とし、そういった見方で見ると▽訪問する自宅、患者がいる部屋、患者、自分の手、物品など「全て不潔区域になる」▽きれいなのは消毒を行ったものだけ▽施設だと患者がいる部屋の中が不潔区域で、部屋の外を清潔区域とする(搬入経路は、なるべく汚い所を減らすように入ってもらう)―と説明した。

 実際の対応は①(着用する)感染防護具に汚れてもらう②不潔区域から帰る時は、捨てられる物は基本捨てる③捨てる時は、清潔区域で捨てない④戻ってくる物(本人も含めて)は、全て消毒する―と指摘した。

 最後に参加者は、防護具の着方、脱ぎ方の訓練を行った。

 松田医師は、防護具着脱について「何回も練習を重ねてほしい。(職場の仲間と)互いにチェックし合うことが大事」「仲間2人以上で訪問する時は、仲間に防護具を脱がしてもらえばいい」「患者にマスクを着用してもらうだけで(感染)リスク回避につながる」と述べた。

 5日の研修会には約60人の参加を見込んでいる。