県高校生ビブリオバトル4連覇

県高校生ビブリオバトルで2連覇した畑友一朗さん(2年)

Bブロック優勝の岡山志穂さん(1年)

大島高 畑さん2連覇、橋口さん(Aブロック)、岡山さん(B同)で優勝

 薦めたい本を5分間でプレゼンする。2分間の質疑応答後、投票。なお、投票基準は、聴者が読みたいと思った「本」―――。本に重きが置かれるルールが特徴の知的書評合戦「ビブリオバトル」。このほど県内の高校生が対象のビブリオバトルが鹿児島市であり、大島高校から3人が出場。2年連続出場の畑友一朗さん(2年)が2連覇、同校は4連覇に輝いた。また、5ブロック別Aは橋口結さん(3年)、同Bで岡山志穂さん(1年)がそれぞれ優勝した。

 「優勝と聞いたときには『うれしい』というより『ほっとした』」と喜びつつも苦笑を浮かべた畑さんは『正義の教室 善く生きるための哲学入門』(ダイヤモンド社)を題材として選んだ。

 大会では「言葉を削る」ことを意識し、本当に伝えたいことが浮き彫りになるように向き合った。同バトルのレジェンドと呼ばれる同校OBの積風雅=ふうが=さんが1・2年生の時に連覇を果たした後に続くプレッシャーに打ち勝った畑さん。「大切なことは勝ち負けよりも、心から伝えたいと思った本を自分が納得する形で言葉に落とし込む経験。それが必ず自分の力になる」と結んだ。

 橋口さんはニュースやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でLGBTQに興味を持ち、『境界を生きる 性と生のはざまで』(毎日新聞)を選択。「心を揺さぶられた」思いまとめた。始めは本の内容を説明することを頭においていた視点を「相手が読みたくなる紹介」に転換し、自分が読了後に変わった点を織り交ぜて紹介した。

 1年生の岡山さんは、中学生の時から憧れていた舞台を踏む。題材は『ひきこもりの弟だった』(メディアワークス文庫)。ミステリーチックな内容を質問形式で展開。来年の出場へも意欲を見せている。

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 同校では、9年前からビブリオバトルを実施。校内で県大会出場者を決める際、以前は学級ごとに行っていたものを、今年度から全校生徒を無作為に24ブロック(約30人ずつ)に区分けし、緊張感を高めた状態で開催している。

 国語科の角美穂教諭は「制度の変更は生徒にも好評だった。他学級・学年のなかで発表することで、より本番の雰囲気に近づけることができたのでは。この経験は社会に出てからも役立つ財産になる」と語った。