FCベルーガ奄美 本格的に活動再開

日々練習に励む、クラブ在籍メンバー

女子サッカー競技普及へ中学生が続けられる環境を
「育成世代の受け皿に」

 女子中学生世代がサッカーを続けていける環境を――。奄美大島を「女子サッカーの島」にしようと女子サッカークラブ「FCベルーガ奄美」が競技人口の裾野拡大に向け、活動を本格的に開始する。現在、未就学児から高校生まで13人が在籍。同クラブの武野弘嗣代表兼監督(35)は「育成世代の受け皿として、女子選手の活躍の場が提供できる環境づくりに取り組みたい」と意気込む。

 ベルーガは奄美初の女子サッカークラブとして、2011年発足。競技人口の減少などで近年、活動は休止状態だったが、20年度に日本サッカー協会に正式登録。企業・団体とのコラボレーション事業「バイオレーラ プロジェクト」(アイズ・カンパニー)と連携しながら今年6月活動を再開した。

 クラブの登録選手は奄美市と龍郷町在住で、小学生世代はスポーツ少年団の在籍が多い。高校生は2人在籍するが、中学生はいない。

 競技人口の拡大を掲げ、スクール活動がメーン。公認C級コーチライセンスを持つ武野代表とスタッフが市内の旧大島工業高校グラウンドで週3回開催しているほか、同島内2カ所(龍郷、笠利)でも出張スクールを展開。SNSなどで活動状況を積極的に発信、会員を増やしていくという。

 体格的な差が生まれ始める中学生になると男子とプレーすることが難しく、サッカーからいったん離れる現状がある。武野代表は「幼少期から続けていた競技をやめていく状況を打破したかった」。クラブの活動再開にあたり、中学生代の環境づくりを重視する意向だ。

 来年度は国内の女子プロリーグ「WEリーグ」もスタート。そうした機運の高まりを踏まえ、「女子選手にとって新たな目標も立てやすくなった。活動を通じ、児童の中での潜在的な人材を掘り起こせたら」と意欲を見せる。

 同クラブの年内最後の練習日となった28日夕方、在籍する8人がグラウンドに集まり、基本練習などに汗を流した。参加した伊津部小6年・祐名=すけな=姫花さんは「サッカーはチームプレーで競技するところがおもしろい。中学生になっても続けたい」と話した。

 クラブの問い合わせは電話090―5923―2020まで。