「奄美たんかん」JA共販量68㌧見込む

産地の信用・信頼につながる「光センサー選別」流通の必要性を伝える表示

品質良好も生産量減少 目ぞろえ会、ハサミ入れ式見送り
選果機のみ利用 委託は103㌧計画

JAあまみ大島事業本部生産部会連絡協議会果樹専門部会、同事業本部は来月からの「奄美たんかん」流通を前に出荷販売対策会議を計画していたが、年明け以降の奄美大島での爆発的な新型コロナウイルス感染拡大により開催を見送った。JA取扱の共販を希望する生産者に資料を送付する書面協議に切り替えており、密になりやすい選果場での目ぞろえ会、収穫開始を告げるハサミ入れ式も開催を見送る。計画している今年度産の共販量は前年実績を3割以上も下回る68㌧を予定、品質良好も全体的な隔年結果により生産量が減少する見通しだ。

共販計画量を支所別にみると、名瀬18㌧(前年実績43㌧)、笠利1・8㌧(同1・7㌧)、住用7・8㌧(同17㌧)、龍郷4・6㌧(同7・2㌧)、大和18㌧(同11㌧)、宇検9・5㌧(同7・3㌧)、瀬戸内8㌧(同12㌧)。選果場利用促進など行政が積極的に支援策に乗り出している宇検村は前年実績を上回る量が計画されている。

全体で101㌧の実績だった前年は、秀・優・良の製品79㌧に対し、規格外品が22・4㌧に及び外観などが悪い果実の持ち込みが多かった。今年度産タンカンは大きな気象災害もなく品質良好に加えて外観もまずまずで、良品以上の製品の割合が高まりそう。価格455円(キロ当たり単価)、金額3116万5千円を計画。共販同様、光センサーを利用しての選果選別となる委託は103㌧を計画している。規格外品を除く良品以上に対しては、光センサー利用促進へ奄美大島内の市町村が足並みをそろえて選果手数料を助成することから、共販・委託量の計画達成が期待されている。

JAでは販売先とも連携しながら宅配を主体とした販売をし、農家手取りアップに取り組む。仕向先はふるさと便(15㌧)、ショップチャンネルやTBSが販売先の商社オージーフーズ(13㌧)などが大口の取引先で、全体的に注文量が多いという。

販売対策では商品管理を徹底。品質低下防止の取り組み強化として、▽樹上完熟を基本とした収穫の実施▽終盤の品質低下防止に向けた取り組みの継続強化(家庭選別を徹底し、腐敗果・病害果の混入防止)▽収穫後の予措(3~4日めど)―などを呼びかけている。

奄美市名瀬朝戸にある奄美大島選果場への持ち込みは2月1日から受け付ける。選果日は共販(JA出荷)が月・水・金の週3回、委託(個人出荷)が火・木・土の週3回とそれぞれ曜日を分けている。

なお、品質保証を可能とする「光センサー選別」は、それを証明するものとして光センサー選別シールを貼付し差別化を図る。