平田まりなさんアルバム発売記念イベント

朝花節を唄う平田まりなさん(右)と、お囃子の松山美枝子さん(中央)、シマ唄教室の子どもたち

受け継がれるシマ唄
祖母とのトーク中心に収録曲など披露

 唄者の平田まりなさん(25・奄美市名瀬)が29日、2枚目のアルバム「加那―kana―」のリリースを記念したイベント「加那発表の儀」を、同市名瀬末広町の「KANA de NISHIHIRA」で開催した。祖母とのトークを中心にアルバム収録曲など五曲を披露。脈々と受け継がれるシマ唄に、来場した約50人は聴き入った。

 平田さんは21歳で奄美民謡大賞を受賞。また民謡民舞全国大会の出場など、奄美を代表する唄者のひとり。アルバムには、師匠で祖母の松山美枝子さんもお囃子で参加している。

 平田さんは、「先人や祖母から学んだシマ唄を、次世代へつないでいきたい」との思いで、今回のアルバムを制作したという。松山さんも、「『ヨー加那』は、私自身も祖母から教わったシマ唄。唄に完成はない。CDという形に残すことも一つの継承のあり方」と、孫のアルバムリリースを祝福した。

 松山さんのお囃子でサンシンを弾き、唄う平田さん。シマ唄教室の子どもたちもお囃子に参加した。最後の「行きゅんにゃ加那 kana.ver」は、従姉の西平せれなさん(西平酒造㈱代表)がスイスの打楽器『ハンドパン』で参加し、花を添えた。

 西平さんは、「彼女は伝統を受け継ぎながらロックの精神を持っている。守っていくために常に変化を繰り返す、面白くて楽しい人」と平田さんを称した。

 東京から来場した福田郁雄さん(62)は、「行きゅんにゃ加那を聴いて涙が出てきた。子どもたちと一緒に唄う姿が印象的で、シマ唄は確実に受け継がれていると思う」とイベントを振り返った。

 アルバムは全7曲収録で2200円(税込み)。「セントラル楽器」や「TSUTAYA」などで販売され、音楽配信サービスでも購入できる。