喜界島「50年に1度の大雨」

喜界町池治周辺を通る県道沿線にも大量の雨が流れ込み、冠水した

記録的大雨情報2回発表 24時間雨量は441㍉

 

通行止め、住家浸水被害も

 

欠航や停電も発生

 

 旧盆中日の4日、南から流れ込んだ暖かく湿った空気などの影響で、喜界島は記録的な豪雨に見舞われた。1時間に約120㍉の猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を午後2回発表。同日午後4時26分までの1時間雨量は110・5㍉、同時20分までの3時間雨量は、264㍉に達し、ともに観測史上最大を記録するなど「50年に1度」の大雨が降った。喜界町は1604世帯3086人に避難準備情報を発令。島内複数箇所で土砂崩れが起きたほか、住家の浸水被害も発生した。

 鹿児島地方気象台名瀬測候所によると、暖かく湿った空気の影響で、奄美地方は大気の状態が不安定になり、奄美大島北部と喜界島に発達した雨雲が持続的にかかった。喜界町付近のレーダー解析で、午後2時までと午後4時までの1時間雨量は、それぞれ約120㍉に達したとみられ、「記録的な大雨情報」が2回発表された。

 同日午後6時30分までの、降り始めからの24時間雨量は441・0㍉(同7時半現在)。時間ごとの降水量は軒並み1978年の統計開始以来、最大値を記録した。

 同町は、気象庁発表の「土砂災害警戒情報」を受け、14集落の1604世帯3086人を対象に、避難準備情報を発令した。一時、最大で約3000戸の停電が発生したほか、鹿児島、奄美大島、それぞれと島とを結ぶ空の便で、5便が欠航するなど交通にも大きな影響が生じた。

 同6時15分に、災害対策本部を設置。主な被害状況(同7時半現在)は、床上浸水が2件、床下同12件。土砂崩れが4カ所で発生し、県道2カ所を含め、複数の通行止めも発生。人的被害は、同時現在報告されていない。

 奄美大島でも、奄美市、龍郷町で大雨洪水警報が発表され、県大島支庁に災害警戒大島地方本部を設置し、3市町での災害発生に警戒を強めた。きょう5日についても、名瀬測候所は「気圧の配置からすると、不安定な天気となることも予想される。引き続き、土砂災害などに厳重な注意をし、最新の気象情報を確認してほしい」と呼びかけている。