環境省概算要求奄美関係

国立公園の施設整備実施を掲げている(龍郷町の奄美自然観察の森)

国立公園整備を支援

 

マングース防除やノネコ対策も

 

世界自然遺産登録は1億円

 

 環境省が発表した2018年度予算概算要求では、奄美振興に関する予算も求めている。3月に誕生した奄美群島国立公園の施設整備は131億円を要求。自然環境保全や自然とのふれあいを推進する施設整備を実施し、地方公共団体の国立公園整備事業を支援する。マングース防除やノネコ対策も盛り込んでいる。

 奄美群島のみを対象とする事業では、世界自然遺産登録推進事業で1億円を要求。奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島の世界自然遺産登録および登録後の適切な遺産価値の管理を目的として、科学委員会や地域連絡会議を運営して各島での具体的な取り組みを進める。

 海岸漂着物対策は、海岸漂着物等および漂流・海底ゴミの回収処理事業や海岸に大量に漂着したゴミ処理の補助金を交付。また海洋ゴミ等の発生抑制対策にかかわる事業も対象となる(離島における補助率9/10)。

 再生エネルギー利用拡大のため、地方公共団体等が二酸化炭素削減の費用対効果の高い再生可能エネルギー設備の導入、事業化計画策定等に対して支援。離島における支援として「離島の再生可能エネルギー設備導入促進事業」を行う。

 国立公園における自然公園等の施設整備を実施(概算要求額131億2900万円)。自然環境の保全や消失・変容した自然生態系の再生を図るとともに、自然との多様なふれあいを推進するための施設整備を実施し地方公共団体が実施する国立・国定公園等の整備事業を支援する。

 国立公園の活用については、▽国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)の推進(概算要求額2億8100万円)▽魅力あるプログラム開発や人材育成などのエコツーリズムの活動を支援(同2500万円)―を掲げている。

 特定野生生物保護対策として、種の絶滅を避けるために生息状況の調査、野生個体の保護の普及啓発など実施。奄美ではアマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミの保護増殖事業を行う。

 マングース防除推進は、アマミノクロウサギなどを捕食し在来生態系に重大な被害を及ぼしているフイリマングースを防除する(概算要求額5億6600万円)。希少野生動植物種の生息状況改善のためノネコ対策として、奄美大島と徳之島で希少種の生息域からノネコを排除する(同5100万円)。ノネコの生息状況調査や捕獲等を実施する。