知名町で総合防災訓練

車両から負傷者を救助する消防隊員ら=知名町=

関係機関との連携確認

 

震度7想定

 

 【沖永良部】知名町は1日、沖縄近海を震源とする地震を想定した総合防災訓練を行った。地域住民や行政、警察、自衛隊など約300人が参加。避難誘導や災害救助訓練などを行い関係機関との連携を確認し合った。

 沖縄近海で震度7の地震が発生し、同町でも強い揺れを観測。住宅損壊や20分後に津波が到達するとの想定。

 午後5時、訓練対象地域(屋子母字、知名字、小米字、瀬利覚字、黒貫字)に地震発生を伝える防災無線が鳴り響き、県警のヘリコプターも出動して避難を呼び掛けた。

 消防団の誘導で多くの住民が避難所の同町あしびの郷・ちなに集まり、お年寄りや体の不自由な人には女性消防団らが寄り添いサポートした。

 救出救助訓練は、土砂等に埋没した車両内に負傷者がいるとの想定。自衛隊と沖永良部警察署救出救助部隊「チュラインガ隊」が土砂や鉄パイプなどを除去後、消防本部が重機を使い車両のドアや屋根を壊し、閉じ込められていた住民を救い出した。

 また、県警ヘリによる救助訓練も行われ、建物屋上の避難者を素早くヘリへ引き上げた。

 沖永良部警察署の奥平三孝署長は「災害は、いつ、どこで起きるかわからない。何度も訓練を繰り返すことが大事。さらに、被害を最小限に抑えるためには自助・共助の精神も必要になる」と講評した。