「島ツツジの里」に

消防車庫の壁に描かれた島ツツジ。玉城字の安田区長(中央)と制作した玉里さん(左)、白川さん(右)=14日、和泊町=

消防車庫に咲いた花
和泊町玉城字 昔ながらの風景願い

 【沖永良部】和泊町玉城字の消防車庫に島ツツジの花が描かれた。同字の安田克彦区長(64)ら地元住民が発案した。昔ながらの風景を蘇らせ「島ツツジの里」を目指そうと意気込んでいる。

 絵の大きさは高さ約3㍍、幅約4㍍。同字在住で建築塗装の経験を持つ玉里勇さん(70)と、知名町在住で中学校の美術教諭をしている白川清乃さん(50)に製作を依頼した。

 花のデザインは白川さんが担当。島ツツジ特有の鮮やかな赤色を出すため、玉里さんが調色した塗料を白川さんが何度も確認しながら色を合わせていったという。さらに、ベースとなる色の上から濃さの違う色を重ねることで立体感を出した。

 事業費は、町の「あざ・まち元気活動事業補助金」の50万円を活用。消防車庫の壁に絵を描く許可を得て、昨年の11月中旬から作業を開始。約1カ月かけて完成した。

 白川さんは「このような大きなキャンパスに絵を描くのは初めて。楽しかった。遠くからでも花が咲いているのが分かるようにした」。玉里さんは「良い作品が出来た。花の大きさや位置などの正確さにこだわった」と話した。

 安田区長は「以前は春になると、山や家の周りに島ツツジの花が咲いていた。今では少なくなったが、字の花としてもう一度見直していきたい」と語った。

 同字では、絵の制作のほか、島ツツジの植栽活動や字案内板の設置なども行っていく予定。