大島高の立山さん、水野さんが入選

大島高の立山さん、水野さんが入選

短歌作品が入選した立山さんと水野さん

県内初の「学校特別賞」受賞
東洋大学「学生百人一首」

 若者が日常や社会の動きを短歌で詠む、東洋大学=東京都文京区=主催の「現代学生百人一首」入選作品がこのほど発表された。国内外の応募総数4万9259首から、奄美市名瀬の大島高校(池田浩一郎校長、生徒774人)の3年・立山陸さんと同・水野あかりさんが受賞。また入選者2人を輩出したとして、同校は県内では初めて「学校特別賞」受賞を果たした。

 コンクールは同大学の創立100周年記念として1987年にスタート。「現代学生のものの見方・生活感覚」をテーマに全国の小中学校、高校、大学ほか、米国や中国から応募があり、県内は215作品だった。

 同大学PR事務局によると、18歳選挙権やJアラートなど時事の話題から、SNSを使う日常生活を通した心情を盛り込んだ作品を募集。同校は内田まゆみ国語教諭の発案で、奄美を題材に3年生徒の作品で応募したところ、「郷土愛にあふれた作品が目立った」(同教諭)としており、今回の受賞を喜んだ。

 立山さんの作品は「ミンミンと 鳴くせみの声変わらずに 少しだけ高い奄美の秋空」。学校から見た、季節の移り変わりを表現。水野さんは「縁側でアカショウビンの音を聞きつ 祖父の隣で寝たあの夏よ」と、5年前に亡くなった祖父との思い出を歌った。

 今春進学が決まっている二人は思いがけない受賞に驚き、立山さんは「初めてつくった短歌。良い記念になった」。水野さんは「賞状は祖父の霊前に飾っています」とそれぞれ笑顔を見せた。