天城町庁舎に「徳之島の森」再現

天城町庁舎に「徳之島の森」再現

環境省が手作り再現した「徳之島の森」で模擬ナイトツアーを楽しんだ参加者たち=18日、天城町役場会議室

模擬ナイトツアーで感動
環境省・国立公園ふれあいイベント

 【徳之島】環境省徳之島自然保護官事務所主催の2018年度奄美群島国立公園自然ふれあい行事「徳之島の森を再現!みんなで模擬ナイトツアーに出かけよう!」が18日午後1時から2回、天城町役場庁舎であった。小中学生や保護者ら計30人が参加。オリエンテーションと模擬ツアー体験で世界自然遺産候補でもある〝島の宝〟を再認識した。

 奄美群島国立公園に指定(昨年3月7日)に続き、仕切り直しながら世界自然遺産候補の一つとして再推薦を目指す徳之島。生物多様性を育むその森には固有種など多くの希少野生生物が生息。その島に暮らしながら、アマミノクロウサギなどの希少動物を直接見たことがない人も多い。模擬ナイトツアーで気軽に同島の自然を体験・学習してもらおうと計画した。

 天城町役場の会議室に、同自然保護官事務所やユイの館(資料館)所蔵のアマミノクロウサギやケナガネズミ、トクノシマトゲネズミなどのはく製を搬入。哺乳類のほか鳥類、両生類、ヘビ類、昆虫類などコーナーを順路分けし、はく製など実物標本のない希少種は写真資料などで網羅。森林の落ち葉も搬入し登山路を再現するなど、手作り感に富んだ模擬ツアーコースを再現した。

 家族連れの参加者が目立った。まず、環境省制作のDVD「世界自然遺産候補地・徳之島太古の息吹」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産」を視聴。麓良平自然保護官補佐とガイド役の岡崎幹人天城町自然保護専門員が、夜間に隆盛する徳之島の森、ハブなど実際の森林観察時の注意事項など解説。懐中電灯1本を頼りに模擬ツアーを体験した。

 家族と参加していた須川さらさん(岡前小3年生)は「アマミノクロウサギに前から興味があった。珍しい植物や昆虫も見れて、知ることもできてすごく楽しかった。本物の森にも行きたくなった」と目を輝かせていた。
企画した沢登良馬自然保護官(27)は、子どもたちの反応など手ごたえに「次回は秋の森に行って、生の希少生物などが観察できるように計画したい」と話した。