連続台風で資材不足

崩土現場の応急処置、住家の屋根材の防風対策などに使われる土のう袋も品薄の状態になっているという

トタン・ブルーシート・土のう袋など
定期船欠航で入荷できず

 9月29、30日、非常に強い台風24号が奄美地方に接近し多くの被害をもたらした。住家・非住家の一部損壊などの被害は4千棟を超える。相次いで台風25号も接近し、県本土と奄美群島を結ぶ定期船は断続的に欠航に。トタンやブルーシート、土のう袋などの資材が入荷できない状況にあり、6日もまだ補修が追い付いていない住家が各地で見られた。

 台風25号が接近した5日、喜界町役場ではブルーシートが手に入らないため家の補修ができないという問い合わせが約10件あったという。また、補修が間に合っていない状態で自宅にいるのが不安という住民が自主避難した自治体もあった。

 台風一過の6日、奄美市名瀬小湊集落では、屋根や外壁の補修などを行う音が響いた。玄関前で作業を行っていた男性は、「うちはほとんど何もなかったが、近くにある兄の家は屋根が飛び、全体的にブルーシートをかけて応急処置している状態。トタン屋根などが手に入るかどうか」と話した。
 同市名瀬の建設資材販売業者によると、普段は建設業者などによる利用が多いが、台風24号通過後の今月1日からは一般客が増加。トタンやブルーシート、土のう袋の需要が多く、台風25号接近前には一時在庫切れとなった。

 その後、普段の3~4倍の量の商品を入荷したが、今も買い求める客は多いという。台風接近が見込まれる時点で、仕入れ量を増やすなどの対応を取っているが、同業者担当者によると、「今回はかなり台風が大きかった上に、連続して接近したので追いつかなかった」という。

 県本土と奄美群島を結ぶフェリーの下り便は、欠航のため9月29日から10月1日まで名瀬港への入港が途絶えた。台風24号通過後の2日には臨時便が入港したが、台風25号接近に伴い5日名瀬入港便から再び欠航。きょう7日には臨時便・定期便が名瀬港に入港する予定だが、同担当者は「食料品が優先されるので、資材が入荷できるのは10日以降になりそう。困っている人も多いので早く入荷したいのに」と肩を落とした。