「紬の日」のつどい

「紬の日」のつどい

多彩なイベントがあり、紬ファンらが一堂に会した

恒例の紬大行進では商店街を練り歩き魅力をPRした

名瀬の街華やかに彩る
ステージイベントなど盛り上がり

 「紬の日」の5日、奄美市名瀬のAiAiひろばで第41回「紬の日のつどい」(紬の日実行委員会など主催)があった。シマ唄などのステージ発表や、抽選会などのさまざまなイベントを実施。幅広い年代から参加者があり、“紬三昧”の半日を満喫。恒例の紬大行進では華やかな紬が名瀬の街を彩った。

 「紬の日」は旧名瀬市時代の1978年に制定。奄美の伝統産業である本場奄美大島紬への認識を深めるとともに、大島紬の振興による豊かな街づくりの推進、全市民がこぞって紬を着用することで、その良さを再認識することを目的に毎年1月5日に「紬の日のつどい」を開催している。

 この日はあいにくの空模様で、メインのステージイベントは同ひろば2階であった。奄美高校郷土芸能部と、同部卒の新成人らによる祝い唄などでにぎやかにスタート。イベント冒頭に、本場奄美大島紬協同組合の前田豊成理事長は、「消費者に支持される『ものづくり』はもちろんのこと、着物文化の浸透に、より一層力を注ぐ。紬を身近に感じてもらうよう取り組み、業界の発展につないでいく」とあいさつした。

 また、生産反数が減少し続ける現状について前田理事長は、「技術料としてしっかりと賃金が払える体制を作る必要がある。島の人に着用してもらい、観光客に触れてもらえる『紬の薫りがする街づくり』をしたい」。同組合は産地振興のため、3月に奄美市、龍郷町と連携し、東京で産地主導の販売会を実施する予定で、「今後、積極的に開いていきたい」と前田理事長は話した。

 メインステージで祝唄や紬コーディネートコンテストなどがあったほか、呈茶、餅つき、ふるまい酒、無料写真撮影、着付け体験など多彩なイベントを実施。今年からは会場内で紬小物作り教室と、和装マナー教室も開かれ、参加者らの注目を集めた。

 紬美人へのインタビューでは、昨年選ばれた3人が登壇。任期の折り返しを迎え、「紬は40代からでも着られるということを多くの人にPRしたい」(秋葉深起子さん)、「季節によってもさまざまな柄がある。いろんな人に紬を着てもらえるようにしたい」(田原瑞希さん)、「元号が変わる瞬間に紬美人をさせていただくことに感謝し、奄美の宝である紬を広めることが私たちの使命」(三浦瀬奈さん)と、それぞれ決意を新たにした。

 恒例の「紬大行進」には約30人の紬着用者が参加。雨天のため、名瀬中央通りアーケード内から出発し、大島紬の魅力をPR。イベントは八月踊りと六調でにぎやかに幕を閉じた。