役割終えた仮設住宅再利用

役割終えた仮設住宅再利用

仮設住宅の資材を使って組み立て中のテナント棟=11日、和泊町=

テナント棟の完成予想図=提供・(株)結ログ=

和泊町・地域の活性化に「東日本大震災忘れない」

【沖永良部】東日本大震災の被災地で使われていた仮設住宅の資材が、和泊町で再利用されている。現在組み立て工事中で、3月にはレストランなどが入る商業施設として生まれ変わる。

震災の記憶を語り継ぎ、地域の活性化に役立てようと、同町の建設業者や福島県の建築設計事務所らが共同でプロジェクトを立ち上げた。

福島県では、2016年度から役目を終えた仮設住宅の無償譲渡を行っており、今回再利用するログハウス型の仮設住宅は、2年前まで福島県会津若松市で使われていた。

建設場所は、和泊町休憩施設「タラソの風」の隣接地。昨年10月ごろから順次資材が運び込まれた。

現在組み立て中の建物は、4棟のログハウスを横一列に並べたテナント棟で、レストランや美容室などが入る予定。仮設住宅として使われていた時よりも天井を高くし、屋根の上には草花を植える。このほか、管理棟と宿泊棟の建設も計画している。

プロジェクトに参加している(株)新協の福山大洋さんは「東日本大震災の仮設住宅が、熊本地震の被災地で再利用されていることを知り、沖永良部でも活用できないかと思った。若者が集まり、にぎわえる場所にしたい。そして、この建物を通して、震災のことを語り継いでいければ」と話した。