本格焼酎鑑評会

本格焼酎鑑評会

各焼酎の出来を確かめる審査員ら

黒糖は34点出品 「蔵元の個性感じる」

 【鹿児島】2018酒造年度(18年7月―19年6月)に県内で製造された本格焼酎の出来ばえを評価する県本格焼酎鑑評会が18日、鹿児島市錦江町の県酒造会館であった。

 県酒造組合が本格焼酎の酒質向上を目指して毎年実施している。今年はさつまいも、黒糖、米、麦の原料別に102製造場から230点の出品があった。このうち奄美の黒糖焼酎は18製造場、34点だった。

 熊本国税局鑑定官室の松本健室長を審査長に、県工業技術センター、鹿児島大から8人が審査を担当した。審査委員は、グラスにくみ分けられた焼酎の香りをかぎ、口に含んで採点していた。

 黒糖に関しては「優良な品質が多く、各蔵元の技術の高さを感じた」と松本室長。「黒糖特有の甘やかさだけでなく、すっきりしたタイプの焼酎もあり、各蔵元の個性を感じる。いろいろな客層に喜んでもらえるのではないか」と評価していた。

 17酒造年度、鹿児島県の本格焼酎全体の生産量は、14万1141キロリットルで前年比96・7%。出荷量数は10万8880キロリットルで前年比94・4%と減少傾向が続いている。焼酎全体の出荷量数は4年連続で宮崎を下回った。酒類全体の消費数量でもウイスキーやリキュールが前年を上回る量があるのに対して、ビールや焼酎は減少傾向にある。県酒造組合の中玉利豊専務理事は「関東以北では未だ甲類焼酎が主流で本格焼酎など乙類が少ない。試飲会などのPRイベントで需要を開拓していきたい」と話す。

 審査結果の発表は2月8日、同市の城山ホテル鹿児島であり、優秀な製造場、杜氏が表彰される。