119番通報を受ける奄美市消防組合本部通信センター
119番の日(1月19日)に合わせて奄美市消防組合本部はこのほど、今年度4月~12月に管内で発生した火災、救急、救助などの通報概況を発表した。9カ月間の総通報件数は、前年同期と比べ287件多い6189件。同部は、大型台風が相次いだことや法改正に伴う試験通報の増加が一因とみており、「災害が多く件数は増えたが、一般通報は減少傾向にある。(今後も)緊急時には落ち着いて通報を」と呼び掛けている。
概況の主な内訳は、「火災」が前年同期比で13件多い68件、「救急」は同267件減り3512件、「救助」は同24件多い77件。増加の主な項目は、「119試験」が同227件増の431件、「警戒調査」が同87件増の170件、「間違い(誤報)」が71件増の309件、「ドクターヘリ連携」が71件増の252件と続いた。
通報手段別では、一般電話からが2500件、携帯電話からが2320件。月別では、前年度比で、1月および夏時期が増加した。
同部では「救急」の大幅な減少について、「瀬戸内分署・喜界分署の通報を、本部に一本化した」ことを挙げ、件数増の項目については「台風被害や法改正に伴う火災報知器設置試験などにより数自体は増えたが、それらを差し引けば一般の救急や救助は減少している」と分析した。
今後、通報の適正利用に向けては、病院照会などは、災害案内ダイヤル(0997―57―3111・0997―57―3112)を利用、早急な現場急行に向けては、サイレン吹鳴による運行を啓発。特に救急搬送では、無サイレンによる運行を希望する人も多く「法に抵触するのでご理解を」と訴える。
また、通報の際には目的地を素早く特定することで、早急な救助や搬送につながるとし、担当者は「慌てず落ち着いて通報時間が長くても、集落名や番地、バス停など、まずは目標物を少しでもわかりやすく伝えてほしい」と呼び掛けている。