フッ化物洗口でむし歯予防を

親子で歯磨きやフッ化物洗口の仕方を学んだ

保護者説明会
朝日小付属幼稚園で 奄美市

 奄美市は15日、奄美市名瀬の市立朝日小付属幼稚園で、むし歯予防対策として導入しているフッ化物洗口の保護者説明会を開いた。園児と保護者ら約200人が参加、フッ化物洗口のむし歯予防効果や安全性などの説明を受けたほか、親子で歯磨きの仕方などを学んだ。

 説明会では市歯科医師会の畠義一郎会長が、都道府県ごとの子どもたちのむし歯保有率などのデータを基に、鹿児島県の児童生徒のむし歯保有率が高いことや県内でも特に、奄美市の児童はむし歯が多いことなどを指摘した。

 一方、全国でいち早くフッ化物洗口を導入した新潟県では現在、90%以上の児童がむし歯になっていないことなども紹介。畠会長は、「歯の生え始めは、表面が弱く、むし歯になりやすいが、フッ化物洗口を継続することで、フッ素が歯を強化、一生むし歯になりにくい丈夫な歯にすることができる。まったく害がないことは、WHO(世界保健機構)の調査で実証されている」などと、むし歯予防対策として、フッ化物洗口の導入の必要性を呼び掛けた。

 フッ化物洗口は、微量のフッ素が入った水で口の中をすすぐもので、市健康増進課によると、奄美市では笠利、住用両地域の幼稚園と保育園で2003年から実施している。名瀬地域では昨年度から公立のすべての幼稚園、保育園のほか、一部の私立幼稚園でも始めた。

 奄美市の3歳児のむし歯保有率は2014年度の32・66%以降減少傾向にあるものの、17年度は21・5%で、県平均19・6%より高い状況にある。

 畠会長は「奄美では依然として、むし歯ができてから治療に来る子どもが多い。治療した歯は、またむし歯になる可能性が高い。むし歯をつくらないため、定期的な歯科検診や幼児期からのフッ化物洗口と歯磨きの習慣化が大切」と話した。