古仁屋高 講演やワークショップ

全校生徒に着地型観光などを講演した宙の駅の本田さん


小学生向けのイベント内容についてまとめた意見を発表したワークショップ


久慈の戦跡・水溜跡を巡検する古仁屋高生など(提供写真)

「情報発信が命」
地域資源の活用に意見交わす

 県立古仁屋高校(重吉和久校長)は8日、同校体育館などで地域創生人材育成プロジェクトによる講演会とワークショップ等を開いた。生徒らは講演やワークショップなどを通し、地域の歴史・文化資源の研究や活用方法を学んだ。また来月開催するイベントの内容や、参加者に楽しんでもらえる工夫などについて意見を交わした。

 同プロジェクトは県教育委員会の事業で、高校が地域の活性化に向けて地域課題の解決を目指し、地域と連携して地域創生につながる実践的な取り組みを行うことで地域を活性化する人材育成や高校の活性化が目的。今年度は応募した高校から、同校を含む3校が同プロジェクトの指定を受けた。

 講演会は体育館であり、1~3年生約90人が聴講。講師を㈱宙=そら=の駅の本田静代表取締役が担当し、「素材の魅せ方と磨き方」の演題で講演した。

 本田さんは県の着地型観光推進協議会会長も務めていて、最近の着地型観光旅行と旅行者のニーズを解説。「着地型観光は、地域の知られざる素材を活用している旅行や観光を指す。インターネットの普及で口コミなどによりイメージを消費者が創造するようになった。これからは文化や商品哲学を選ぶことで価値を見出そうとするだろう」と話した。

 着地型観光商品のつくり方の事例として、鹿児島の山城を巡る旅行商品の事例を紹介。「感動することを体験して、経験したことを自分の言葉で伝えるようにしないと地域の素材は磨かれない。選ばれる商品にするには、自分たちが元祖でキャストになり、常に創り出すことが必要」と語った。

 休憩をはさみ、3年の情報ビジネスコースと研究グループの生徒約20人が、パソコン室に移動して講演内容やイベント企画に関するワークショップを実施。生徒の意見を聞いて本田さんは、「プロジェクトは情報発信が命。SNSを立ち上げてみんなで取り組む。8月3日のイベントでは、キーワードの『日本スイーツの聖地』をぶれさせない。小学生対象としているので、1年生に合わせ話す内容を分かりやすい表現でするように」などと助言した。

 ワークショップ終了後に研究グループの生徒4人は、本田さんや引率の教職員とイベント会場の「海の駅」や久慈白糖工場跡などを巡検。3年の奥村芽生=めい=さん(18)は、「講演を聞いて、こうしたら良いということなどが分かった。8月のイベントに向け、できていないことを行動に移していきたい」と話した。