「LCC効果、引き継ぐ」

ピーチ社が地元関係機関と初の意見交換会を開いた

ブランド就航まで2カ月
ピーチ、地元機関と意見交換

 関西国際空港を拠点に展開する格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション社(井上慎一代表取締役社長)は26日、奄美市名瀬の県大島支庁会議室で行政や観光団体などと意見交換会を開いた。現在、LCCバニラ・エア社が就航する奄美大島―成田線が、10月1日からピーチブランドで就航するのを前に地域との関わりを深める狙い。同社広報は「奄美へのLCC効果を引き継ぎ、地域の観光振興につとめたい」としている。

 ANAホールディングス(HD)傘下のピーチとバニラは2018年3月、経営統合を発表。19年度をめどにブランドはピーチに一本化され、バニラ社としては10月26日まで運航する。奄美空港と結ぶ同社成田線は8月31日を最終とし、1カ月後にピーチ路線でリニューアルする。

 現在、ピーチ社は路線改編を進めており、奄美大島線を含む再開路線を対象に機材繰りや両社スタッフの人材交流に着手。就航先の関係者との会合は今回初めてという。

 この日は奄美群島の「交流需要喚起対策」で営業やブランディングなどピーチの担当スタッフ7人が来島。観光の掘り起こしに向けた体制づくりを提案した。奄美からは県・市町村など行政、観光団体、金融機関から約40人が参加。「観光資源の活用」「10年後の奄美像」について意見を交わした。

 奄美大島観光協会の越間得晴会長は「航空便の充実は重要。観光分野に就航効果をどうつなげていくかが問われている」と述べた。

 同社広報部の渡邊綾子シニアマネージャーは「バニラは奄美と良好な関係を保ち、地域の観光振興に貢献してきた」と14年スタートしたLCC就航を振り返り、その上で「当社としても(LCC効果を)引き継ぐことは当然と考える。会合を通じ、奄美の関係機関との連携を高めていきたい」と話した。

 なお5月6日で就航最終となったバニラ奄美大島―大阪(関西)線について、同社は冬季ダイヤ期間(10月27日~来年3月28日)内の再開予定を発表しているが「時期は未定」(広報)としている。