警察参加で夜間合同パト

警察も参加して行われた奄美市住用町での盗掘盗採防止夜間パトロール

抑止力強化に向け連携
住用町の林道でトラップ・不審人物に注意

 環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美大島5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会は1日夜、奄美市住用町の林道で希少種盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを行った。この日は奄美署の署員も参加し、林道を巡回。違法行為に対する抑止力強化を図った。

 パトロールは希少種の盗掘・盗採の増加する現状を受け、監視強化を図る目的で実施。警察との合同実施は今年度初となった。同事務所の千葉康人国立公園管理官によると、今年の昆虫捕獲用トラップの発見数は前年と比較し急増。不審者情報なども同事務所に寄せられているという。「夏休みで来島者も多い。警察と合同で実施することで、抑止力も高くなるので、ありがたい」と千葉管理官は話す。

 この日は協議会から3人、同署員2人が参加。千葉管理官を含めた計6人で約2時間かけ林道を巡回。啓発用チラシなどを用意していたが、昆虫トラップや不審人物・車両の発見はなかった。一方、レンタカーを含む車両8台とすれ違ったということで、千葉管理官は「入り込み客が増えている現状を確認できた」と成果を述べた。

 同協議会から参加した奄美市プロジェクト推進課世界自然遺産推進室の岡翔太主査は「役所や環境省では取締に強制力がない。警察の協力は非常に助かる。民間事業者とも連携を取りながら、全島で取り組みたい」と語った。

 同事務所と同協会は今年度からパトロール体制を強化。今後は今回のパトロールの反省点を踏まえ、連携したパトロールを継続するとしている。