第3回徳之島ごみ問題シンポ・天城町

第3回シンポ「みんなで考える徳之島のごみ処理の明日」=20日夜、天城町防災センター

「きょら島」を次世代に
ごみ資源化、分別徹底を喚起

 【徳之島】第3回シンポジウム「みんなで考える徳之島のごみ処理の明日」(徳之島愛ランド広域連合)が20日夜、住民ら約百人が参加して天城町防災センターであった。住民主体で動き資源リサイクル率日本一を続けている大崎町、地元児童生徒らの環境保全取り組み、徳之島愛ランドクリーンセンター側の現状報告なども交え再考。初心に返ったごみ分別への意識も喚起し合った。

 同島愛ランドクリーンセンター(伊仙町西目手久、稼働17年目)は設備・機器の老朽化に伴いダイオキシン類の排出基準値超過など諸課題も表面化。同シンポは、現在地か移転新設かの問題と並行。全島民でごみの分別やリサイクルなど改善策を考え、「次世代により美しい『きゅら島』を引き継ごう」と3月の伊仙町を皮切りに、5月は徳之島町で開催。3町会場を一巡となった。

 冒頭、クリーンセンター施設整備基本構想策定検討委員会の小原幸三委員長(鹿児島大名誉教授)は、老朽施設の更新に向け、「3町(広域連合)が平等に役割を果たせば100年(計画)も夢ではない。ごみも工夫(リサイクル)すればいろんなものが出来る。次世代のことを考え、生ごみをどうするかも考えよう」と要望。

 地元の森田弘光町長は、施設の〝15年持回り申し合わせ〟に関し「(町民から)積極的な反対意見はなかった。年内には意思表示をしたい」。ごみ分別には「初心が薄れてきた。ダイオキシン類も測定。私たち町民、島民1人ひとりがごみ出しルールの厳守を。ごみ問題は島の将来にも関わる問題」とアピールした。

 大崎町環境専門員・同町国際交流技術支援プロジェクトマネージャーの徳禮勝矢氏が「大崎町は、どのようにしてリサイクル率日本一になったか~住民主動のリサイクルシステムの道~」を演題に講演。「住民主動」による28品目分別や、生ごみ・草木類の分別排出による資源化、持続可能な地域循環のまちづくりによる利益還元例なども紹介。未来からの預かりものを後世に引き継ぐ役割と責務―を説いた。

 児童生徒活動では、天城小側(職員)が「『きょら島』徳之島を守るために」と題して地域のごみポイ捨ての実態調査、ポイ捨てゼロ運動、きょら天小通りクリーン作戦を紹介。樟南二高野球部員の代表らは「人間力野球」をモットーに優先す地域貢献活動「夢拾い」(ごみ拾い)を通した自身の成長をはじめ、昨年は地域環境を守るかごしま県民推進会議で知事から表彰されたことも報告した。

 クリーンセンター側は、分別不徹底ごみの実態などを報告。小原委員長の廃棄物を資源に変える「グランピング構想」の提唱に続き、徳之島3町らも交え討論会。ごみの減量化に関しては、3町負担金(均等割・人口割)への「ごみ搬入量実績」〝従量〟勘案の提案などもあった。