世界自然遺産学ぶ講座

アコウ(右)の生態の説明を受ける児童生徒ら

アコウなどの生態に驚き
5市町村児童生徒 自然観察の森で野外研修

 奄美大島自然保護協議会(会長・平田宏尚奄美市プロジェクト推進課長)は26日、奄美市名瀬の県立奄美少年自然の家などで2019年度奄美大島5市町村連携事業「奄美大島子ども世界自然遺産講座」(1泊2日)の1日目を行った。野外研修では職員から、奄美の自然のガイドを受け照葉樹林内の動物や植物などの生態を学んだ。27日は海洋生物に関する研修などが実施された。

 子ども世界自然遺産講座は、子どもたちに自然保護の意識を持たせ世界自然遺産に興味を持ってもらう目的で瀬戸内町が3年前から開催。昨年から奄美大島5市町村の連携事業で行われている。

 今回は5市町村の小学校、中学校から児童生徒19人が参加。児童生徒らは各市町村の引率指導者とともに奄美少年自然の家であった開講式に出席し、環境省奄美野生生物保護センターの職員から、外来種や世界自然遺産登録に関する研修を受けた。

 昼食をとり午後からは、野外研修のため龍郷町の奄美自然観察の森に移動。同町企画観光課の川畑力さんが講師となり、観察の森内をガイドした。

 川畑さんは自然観察活動で、▽安全第一▽見る努力をする▽「自然の中にお邪魔している」という意識を持つ―などに注意するよう説明。川畑さんは森の中を散策しながら、木の中で休んでいるアマミイシカワガエルやスダジイなどの前で足を止め、生態やエピソードなどを紹介。児童生徒らは、メモしたりして動植物を観察した。

 同町大勝小学校6年の石原知佳=ともか=さん(12)は、昨年に続いて二度目の参加。「昨年の講座に参加して、外来種を駆除して在来種がその後どうなったのかなど疑問が出たので参加を決めた。野外研修ではアマミイシカワガエルや、絞め殺しの木と呼ばれるアコウの生態などに驚いた。屋久島では自然遺産になった後、どういう活動をしてきたかなどを学んできたい」と話した。

 同講座は今年度3回開講を予定。屋久島での講座は10月ごろになるという。