群島成長戦略推進懇

成長戦略ビジョン基本計画の成果検証に基づく提言案が了承された

 

人口減少打開へ施策展開
提言内容了承 市町村長会提出へ

 

 奄美群島成長戦略ビジョンへの提言を行う「奄美群島成長戦略推進懇話会」の第11回会合(座長・原口泉志學館大学教授、16委員)が14日、奄美市内のホテルであった。群島各島の2018年度基本・実施計画の成果と検証を基に、同会としての提言方針を確認。委員は内容を大筋で了承し、奄美群島市町村長会(11月20日、与論町開催)に提出することを固めた。

 懇話会は同ビジョンを策定した奄美の自治体に対する提言機関。奄美の自治体代表、国・県の行政機関、識者でつくる。この日は策定部会が作成した18年度成果検証資料を踏まえ、今後の方針や改善点などを話し合った。

 同ビジョンは19年度に後期計画(23年度まで)がスタート。重点3分野を基軸にした群島全体、各離島の事業方針が盛り込まれた。今回は、ビジョン目標の達成に向けた提言を決める場と位置付けられている。

 会では事務局が座長私案をベースに事業の方向性を提示。島別でみると、着地型観光体験メニューの充実(奄美大島)、島ブランドの推進(喜界島)、観光動向を視野に施策展開(徳之島)、農業基盤の特産品開発(沖永良部島)、島全体の活性化(与論島)を掲げた。

 群島全体については、交流人口拡大によるキャッシュレス対応やインバウンド対策を重視。また世界自然遺産登録を見据え、観光分野など産業活性化、定住・交流人口の拡充ほか人口減少を打開する施策の展開を強調している。

 意見交換では「新規作物を支援する農業振興策」「奄美―沖縄の観光連携につなげる航空路整備」「孫世代のUターン支援で定住・移住促進」―などの要望が出た。

 原口座長は「各島の現状、将来性を考慮した幅広い施策がより重要となる」と述べ、自立に向けた取り組みの推進を呼び掛けた。

 朝山毅・奄美群島広域事務組合管理者は「事業の方向性を定め、成長ビジョンに沿った成果につながるよう、つとめたい」と答えた。

 事務局によると、提言項目は今回挙がった委員意見を検討した上で、提出準備を進める考え。