ケナガネズミ輪禍過去最多

交通事故で死んでしまった絶滅危惧種のケナガネズミ(環境省奄美野生生物保護センター提供)

2島で18件発生、大幅な増加
野生生物保護センター 夜間運転注意呼び掛け

 来年夏の世界自然遺産登録を目指す奄美大島と徳之島で、国の天然記念物ケナガネズミが交通事故に遭い死亡するロードキル(輪禍被害)の発生件数が増えてきて、過去最多になっていることが分かった。環境省奄美野生生物保護センターのまとめによると発生件数は18件。同センターは貴重な生きものの死亡事故は意識することで減らせ、未然に防ぐことができるとし夜間運転時の注意などを呼び掛けている。

 同センターの早瀬穂奈実国立公園管理官によると、ケナガネズミの交通事故の被害情報の件数は2018年の5件から11月末現在で18件と大幅増。島別の内訳は奄美大島12件と過去最多(これまでは17年の4件)、徳之島6件(18年は4件)だった。

 ケナガネズミは環境省のレッドリスト2019で、絶滅危惧ⅠB類にリストアップ。奄美大島、徳之島、沖縄島に生息する国内最大のネズミで、秋から冬に繁殖期に入るという。夜行性で背中に長さ約6㌢の剛毛があり、尾の先端が白いのが特徴。

 過去最多の被害件数になったことについて、早瀬管理官は、「これまで見られていなかった国道や県道でも、被害に遭っている。繁殖期に入り活動が活発化しているので、場所を問わず夜間の運転には十分注意してください」と呼び掛ける。

 また発見が遅れ具体的な死因が分からない個体も多いことから、死体の早期発見と早期連絡が原因究明に役立つとして万一見つけた際は早急にセンター(℡0997―55―8620、24時間対応)へ連絡するよう、求めている。