「キイレツチトリモチ」開花

西康範さんが撮影した「キイレツチトリモチ」

黄色の小花、仲良く並んで
奄美大島の自生地で

 年の瀬も迫る12月中旬。奄美大島の山間部では冬を彩る花々が見頃を迎えている。足元に目をやると、開花したての「キイレツチトリモチ」の黄色い花の姿も。奄美市名瀬の西康範さんは奄美大島内の自生地で同種を撮影。1枚の写真の中に愛くるしい小花が仲良く並ぶ4株を収めた。

 キイレツチトリモチは県のレッドリストで準絶滅危惧に数えられる植物。ツチトリモチ科の1年生の寄生植物で、葉緑体を持たないため光合成ができず、トベラやシャリンバイ、ネズミモチなどの樹木の根に寄生する。根茎は塊根状で皮目がない。

 花茎は直立し、高さは3~11㌢。直径約2㌢の円筒形で淡黄色。鹿児島市喜入町で初めて発見されたことから「キイレ」の名を冠する。

 西さんが撮影した14日は晴天に恵まれ、撮影コンディションは良好。「以前、撮影していた自生地では木が伐採されて昨年から見られなくなった。今回の撮影地も以前より数が減っていて心配」。咲き始めの12月には鮮やかな黄色だが、1月まで見頃だが、茶褐色に色が変わっていくとのことだった。