事故調査官が現場入り

奄美空港の滑走路周辺を調査する事故調査官と空港関係者(9日午後0時40分)

奄美大島入りした航空事故調査官(9日午前10時45分、奄美空港到着ロビー)

JAC機逸脱で 機体や滑走路を検証
奄美空港

 奄美市笠利町の奄美空港で、日本航空グループの日本エアコミューター(JAC)機JC3830便が滑走路を逸脱したトラブルを受け、国の運輸安全委員会は9日、航空事故調査官3人を現地に派遣、調査を開始した。調査官は空港内の格納庫に駐機する機体と事故現場を検証。10日は鹿児島空港=霧島市溝辺=に移動し、同機パイロットへのヒアリングを予定している。

 逸脱トラブルは8日午前、喜界空港を出発した同機の着陸時に発生。乗務員や乗客合わせて21人にけがはなかったが、国土交通省は深刻な航空事故につながりかねない「重大インシデント」と認定。調査官の派遣はそれを受けたもの。調査官は東京から鹿児島経由で移動。空港が再開したこの日に到着した。

 実施した調査では担当した航空管制運航情報官へのヒアリングのほか、空港管理事務所の関係者とともに滑走路で進入軌道、逸脱箇所でのタイヤ痕を確認した。また格納庫内にある事故機について「機体、タイヤに損傷はみられなかった」と説明。フライトレコーダーの解析などと合わせトラブルの原因をさらに調べる方針だ。

 取材陣を前に吉田眞治・統括航空事故調査官(59)は「いまは情報収集に徹し、原因分析と再発防止につとめたい」と述べた。

 最終的な調査結果の時期について「早急にまとめ、公表したい」とする一方、通常は1年程度で公表されるのに対し事故機がフランス製であることから、同委員会は解明に時間がかかる可能性を示唆している。

 調査官は10日も同空港内で調査を継続。その後鹿児島空港に移動する予定。